たけちゃん

奇蹟の輝きのたけちゃんのレビュー・感想・評価

奇蹟の輝き(1998年製作の映画)
4.2
何かを失うと、何かを得るわ。


ヴィンセント・ウォード監督 1998年製作
主演ロビン・ウィリアムズ


勝手にお知らせシリーズ「今日は何の日」
本日、7月26日は「幽霊の日」👻

なんでも、今日はあの「東海道四谷怪談」が初演された日なんだそうです。1825年7月26日かぁ、江戸時代ですよ。すごい歴史を感じるなぁ。日本の幽霊に足がないのもこの作品が始まりだそうですよ。
なら、「四谷怪談」観れよって話ですが、そこは娯楽のたけちゃんなので、ホラーにはいけません(‐ω‐;)
まぁ、古典映画として観るのもありだけど。

でも、現在、シリーズ「ロビン・ウィリアムズ作品巡りの旅」をやってますからね。やっぱり今日はロビンの作品を観たいと思います( ˘ ˘ )ウンウン


そこで、今回選んだのは「奇蹟の輝き」。
こちらは隠れた名作です。
ロビン演じる主人公が事故で死んでしまい、幽霊となった彼が行く死後の世界を描いた作品です。
天国と地獄が出てきたりと、かなりキリスト教的ですが、めっちゃ幽霊もので、しかも、ものすごく良い作品です。


今作はリチャード・マシスンの原作を映画化したものですが、マシスンと言えば、スピちゃんのデビュー作「激突」の作者ですからね。
ほかにも「地球最後の男」や「アイ・アム・レジェンド」「リアル・スティール」など、僕の好きな作品を多く手がけているSF作家です。今作もファンタジーに溢れ、本当に素晴らしい。

と言いながら、実はこれ未見でした。
今回のロビンのシリーズレビューのために手に入れていたんですが、買って大正解!
1998年って、息子の生まれた年なので、この頃、あまり映画が観られてないんです。それで、今作も未見作品入りに……。見つけて良かった( ˘ ˘ )ウンウン




さて、映画です。
運命で出会った2人。
結婚し子供を2人授かるが。
事故で子供を2人とも失い、さらには夫も失う。
残された妻は自ら命を絶つ……

悲しい😭
悲しすぎる😭😭😭
ここまでのストーリーが悲し過ぎる😭😭😭😭😭
でも、その先があまりにも素晴らしくて、入り込みましたよ( ˘ ˘ )ウンウン
夫婦がソウルメイトっていう関係が、邦画だと「ディスティニー」に近いかな?僕はこういう設定が好きなんですよ。あと、邦画と洋画であの世の描き方が違うのに面白さを感じますよね。


この映画、色遣いが本当に素晴らしいんです。
現実世界の自然もそうなんですが、特に、死後の世界の描き方が実に良い。
絵画的で、グラフィカルです。
それは主人公のクリスが絵画好きで、妻のアニーが画家だからです。


僕自身も信じているんですが、死後の世界は「無」ではなく、人生の中でその人が得たもの、愛したものだけが存在する世界だ、と。
「人生とは魂の道場である」っていうのは仏陀の言葉ですが、生きている中で出会ったもののみ、魂に刻まれ、死後も持っていくことが出来る。
なので、見たことの無いものや出会ったことのない人には死後も出会えない。
だから、生きている中で、出来るだけ多くのことに触れ、経験した方が良いという考えは気に入っています。

そして、人生で魂を育て、鍛え、死後に備える。
豊かな魂になれば、豊かな永遠の人生が送れる。

有名な話ですが、「天国」と「地獄」には外見上の差異はないという話。
ある食事の席。
天国も地獄も、素晴らしいご馳走が並んでいる。
そして、食卓には、ものすごく長い箸がある。
天国では、その箸を使い、周りにいる人に食事を振る舞い、地獄では自分の口に運ぼうとするばかりで食べることができないのだ、と。
この話、すごく好きなんですが、つまり、全ては心、魂の育て方なんです。ナイフや武器などの凶器も、全ては使い方次第です。それをどう使うかが問題なんですよね。


でも、人生が神様によって、既に決まっているという運命論的な話は嫌い。
それなら、何をしたって決まった人生になる。
しかも、幼くして失われた命や事故や事件で亡くなった命も決まっていたことなのか?と思う。

「運命ではない!」
それは「ターミネーター」の主題でもある!←ケッキョク、ソコニイクノカ




ロビン・ウィリアムズが演じるのは、医師のクリス・ニールセン。「グッド・ウィル・ハンティング」「パッチ・アダムス」に続き3作連続で医師役ですね。
でも、ロビンって、笑っていても、いつもどこか悲しそうに見えるのは気のせい?

妻のアニー役はアナベラ・シオラ
初登場シーンは本当に美しかったね。
心が病んでいる時との美しさのギャップが。

マックス・フォン・シドーは、死後の世界、特に地獄へと案内する役。さすがの存在感。

そして、死後の世界でクリスを導くアルバート役がキューバ・グッディング・Jr。懐かしいなぁ。「ボーイズ・ン・ザ・フッド」のトレ役で有名ですね。名バイプレーヤー!


そうそう、特典に「もうひとつのエンディング」が付いていて、それも面白くていいんだけど、確かにちょっと説明過剰でしたね。作品鑑賞後におまけ的に見るには良かったけど(ˆωˆ )フフフ…




「四谷怪談」は愛する夫に殺された岩が復讐を果たす話ですが、今作は愛する者を探しに地獄までも旅する夫の話です。
素晴らしいラストだったなぁ。
こんな世界なら、第二の人生も良い。
僕のチョイス、こちらで良かったね( ˘ ˘ )ウンウン
やっぱりロビンの出演作は名作揃いだ( •̀ω•́ )و✧


ただね、こんなに素敵な作品に出ているのに、ロビン自身は、自分の人生を自ら閉じたのはなぁ。
今は幸せを感じていて欲しい……。