Mokkung

川の底からこんにちはのMokkungのレビュー・感想・評価

川の底からこんにちは(2009年製作の映画)
4.6
観始めたときはオフビートな笑いが続くコメディ映画なのかなと思っていました。しかし中盤以降はちょくちょくコメディー・リリーフはあるものの、思った以上に陰惨なストーリーでした。

本作の後半は、追い詰められドン底を味わった佐和子が、まさしく開き直って頑張ることで前向きな展開に進んでいきます。佐和子が繰り返す「しょうがない」は、当初、佐和子の逃避や妥協というネガティブなスタンスを反映する使われ方だったにもかかわらず、途中からは開き直って前に進むためのポジティブな使われ方に切り替わっていきます。同じ言葉が同じ意味で使われているのに、佐和子のスイッチが切り替わったことで逆方向に作用するようになる点は見事だと思いました。

またメインキャラクターがどいつもこいつもダメなやつばっかりというのが好感持てました。もちろん映画なのでデフォルメして強調した登場人物達なのですが、実社会の自分の周囲を考えてみれば、自分も含めて、程度の差はあれど弱いところがある人達ばかりなので、こういう人間臭さあふれるキャラクターがたくさん出てくる作品は共感できます(注:不倫OKと言いたいわけではありません)。


詳しくはこちらに書きました!よかったら御覧ください!
https://mokkung.tumblr.com/post/626619886890795008/
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