Mokkung

あさがくるまえにのMokkungのレビュー・感想・評価

あさがくるまえに(2016年製作の映画)
4.0
アバンタイトルのシーンが凄く秀逸で、美しくて、ここだけで既に良い映画である予感がビンビン伝わってきました。

この映画、全編通して情緒あふれる美しい映像が連なっていて、なんだか印象派の絵画を見ているような感覚になるような魅力があります。ル・アーブルというフランス北西部の都市が舞台となっているようですが、ル・アーブルを少し調べてみると、この都市は印象はを代表する画家であるモネの「印象・日の出」という有名な絵画の題材になっていて、ああやっぱりこの感じだと思いました。

この映画の特徴、それは死を迎える人と、その死によって提供される臓器で生きながらえる人の両方を描いているという点です。死が避けられない人物と乗り越える人物が、同一人物ではなく、全く接点のない別々の人物であり、にもかかわらず両者の生死の関係が連続しているということの意外性と物語性を絶妙に描いている点が、非常に独創的で秀逸だと思いました。最後に行われる心臓移植は医療行為ではあるのですが、心臓という臓器を通して2つの人生がクロスするような神々しさを感じてしまうほどでした。

また医師や看護師の描写が豊富なのですが、彼らの描き方が、医師である僕の目から見て非常にリアルだという印象を受けました。


詳しくはこちらに書きました。
https://mokkung.tumblr.com/post/633499803791278080/
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