おらんだ

てぃだかんかん〜海とサンゴと小さな奇跡〜のおらんだのレビュー・感想・評価

2.5
幼い頃から海の生物が好きだった健司は幼馴染の由莉と結婚する為、故郷の沖縄に戻ってくる。母の反対を押し切っての結婚だったが、子宝にも恵まれ、自分で始めたレストラン事業も波に乗り始めていたそんな折、健司は突然店を辞め、サンゴの養殖事業を始めると宣言する。

ダダ滑りして、大赤字出して「てぃだ(お日様)よりも吉本の偉いさんがカンカン」みたいな話は聞いたことあります。

まあ、そうでしょうね。スゲーイライラしましたもん。この作品。というか主人公。物凄く独りよがり。レストラン辞めるのも急だし、サンゴの養殖始めるのも周りに何の相談も無い。一人で勝手に決めて、勝手に進める。
挙句、会社を起こすもどうやって収益を上げるか、収益を上げられるようになるまでどうするか、何にも考えてない。余りに稚拙、余りに無責任。サンゴの養殖の仕方も知らずによく会社を立ち上げたな。

事業の詰めの甘さやデータの少なさを指摘してきた専門家たちや、事業の悪評が流れた途端離れていった実業家たちを「冷たい人間」みたいに見せて悪役に仕立ててたけど、普通そういうもんなのよ。それくらいシビアなもんなのよ、会社経営って。
「データとか経営とかよくわかんないけど、ただ子供達に綺麗な海を見せたいってだけじゃダメなの?」っていう情熱だけでなんとかなると思ってる青臭い台詞に本当にイラッとした。

養殖に成功したから美談になったものの、失敗してたら目も当てられない。サンゴの養殖成功より何より、嫁さんがブチ切れて家飛び出して行かなかった事の方がよっぽど奇跡だわ。

沖縄の海とサンゴの産卵のシーンの美しさだけは評価に値します。
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