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幸せのレシピのTEPPEIのレビュー・感想・評価

幸せのレシピ(2007年製作の映画)
2.1
料理を扱う映画はいつだって象徴的な文化の違いを表現して、時に楽しく、時に悲しくさせる。「シェフ」や「ウェイトレス」、そして「シェフとギャルソン、リストランテの夜」のように人それぞれのキャラクターの成長が描かれる。特に「シェフとギャルソン」はところどころ細かな点においても料理を扱った映画では間違いなくトップレベルの部類である。No Reservationが原題である「幸せのレシピ」はキャサリン・ゼダ=ジョーンズ演じるケイトシェフが姉の残した姪と暮らすことになり、それだけに留まらず、新しく来た副料理長のアーロン・エッカート演じるニックはとんだイタリア野郎だったという話……だけである。この作品のキーとなるアビゲイル・ブレスリンの扱いが後半につれて無理強いそのもので、ロマンスに徹してしまった印象は拒めない。シェフとしてのキャラクターがやはり弱い。僕の父はシェフをしており、自分自身も厨房で働いていたことも。何が言いたいかというと、全くゼダ=ジョーンズがシェフに見えないことである。1つ1つの料理を拒む姪に苦悩するにも関わらず、最後までこの映画の本質がわからない。食べ物の映し方はとても美味しそう。
総評としてアーロン・エッカートの好演とアビゲイル・ブレスリンは確かな演技を残しているものの、「幸せのレシピ」はやや安っぽい台詞が集合して表面的な映画になっている。
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