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ミニー&モスコウィッツのtjZeroのレビュー・感想・評価

ミニー&モスコウィッツ(1971年製作の映画)
3.7
舞台はL.A.。不倫の恋から抜け出せない美術館勤めの年上の女(ジーナ・ローランズ)と、N.Y.から移住してきた駐車場係の青年(シーモア・カッセル)との出逢いから、恋が成就するまでを描く。

なんでアイツとあのコが付き合ってるんだろう?、とか、ケンカばかりしているあの夫婦が長続きしているのはなぜ?…みたいなカップルの成り立ちの不思議さを垣間見せてくれる作品。

まあ、ここに出てくる男女のかみ合わない事と言ったら…。
年齢、職業、ライフスタイル、趣味から社交まで、接点がほとんど無し。

偶然の出会いで知り合ってからも、会話はほぼ口論。ただ、なんとなく離れがたい雰囲気だけは、ほのかに感じられる。
そして、ナマの感情をガンガンぶつけ合っていく内に、ふと深いトコで通じ合っている様な、やわらかな時間が到来。
それが具体的にこの場面!、って明確に指摘できないくらい、ごく自然な流れと展開。

映画全体が、街中や彼らの部屋に隠しカメラを仕掛けて、ふたりをひっそりと見つめているような臨場感。

ドキュメンタリーのような迫真性と、楽譜の無いジャズの演奏のような即興性が持ち味の、ジョン・カサヴェテス監督作ならでは。心にトゲが引っかかるラヴ・ストーリー。
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