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地上より何処かでのkuuのレビュー・感想・評価

地上より何処かで(1999年製作の映画)
3.5
『地上より何処かで』
原題Anywhere But Here.
製作年1999年。上映時間114分。

反目し合う母をスーザン・サランドン娘をナタリー・ポートマンが演じ、葛藤しながらお互いに通じあってゆく母娘の姿を、ユーモアや涙を交えながら感動的に描く米国映画で、ウエイン・ワン監督作品。

母親の突然の思いつきで、ウイスコンシン州の田舎町からビバリーヒルズへと越してきたアデルとアンの母娘。
ごく普通の生活を望むアンは、夢追いがちな母に対して不満を抱く。。。

ホンマどないな時代もそうやけど、母ちゃんのことを嫌う娘はいる。
心のすれ違いだとか、若作りの母ちゃんが嫌いやとか。
そないな悩みを抱えてとる少女と母ちゃんとの典型的な関係を描いてる。
年がいもなくハデなカッコして、立ち振る舞いもガサツな母ちゃんアデル(スーザン・サランドン)
そないな母ちゃんを嫌がる真面目な娘アン(ナタリー・ポートマン) がヒロインす。
父ちゃんと母ちゃんはアンが幼いころに別れて、今は義父と幸せな3人暮ら し。
ところが、突然アデルがこんなウィスコンシンの田舎で一生過ごすことに。
イヤやって気持ちわかるかなぁ。
ビバリーヒルズに行って、あなたを女優にするわって宣言されてもなぁ。
親友と別れて馴染んだ高校は転校へ。
大好きな義理の父ちゃんとも離ればなれになる。
それに、お祖母ちゃんや、幼馴染みのイトコとも離ればなれに。
しかし、実の母ちゃんがそない云うならしゃーないと、怒りながらも引っ越しする。
アデルは計画性は全くnothing。
見えっ張りで、
思うがまま行動するタイプ。
一方、アンてのは何事にも真面目で慎重。
野郎と付き合うんにもネガティブ。
全く正反対の二人はバトル勃発が常。それでも、娘のアンは母ちゃんのアデルから離れることはできない。
アデルから自立するには、遠く離れた大学に行こうにも、奨学金を当てにしてたが満額とはいかず、入学は絶望的。
なんてあきらめかけアンやったけど、アデルは娘の夢をかなえてやるんねんなぁ。
それがどないしてかは。。。
その辺を巧いこと描いているかな。
女子の気持ちが確り分からないまでも、自分がこういう道に行きたいと思っているにもかかわらず、母ちゃんが進路を決めてしまうということに、いつも私のジャマをするなんて反発すんのは理解できる。
ほんで、母ちゃんが娘を1から10まで見てないと安心できひん。
その気持ちもオッサンになった今はわかる。
親てのは、中々、理解し合えるモンちゃうけど、年齢を重ねると確実に親の優しさとかの気持ちだとかがわかってくる。
せやけと、電気代払わんで、電気停められる母ちゃんは小生はムリかも。

スーザン・サランドンを相手にしての、ナタ リー・ポートマンの巧さには驚いたなぁ。
壁にバッグをバシバシ叩きつけてぶちギレる場面など、メチャクチャ迫力ある。
どこまでも心配な娘の行く末を思う母ちゃんの気持ちと、思春期から大人に
変態して自立の気持が芽生える娘の気持ちが良く描かれている傑作ドラマやったと思います。
この作品は物語の筋を追うんじゃなく、観ながら一緒に成長していける
数少ない作品かもしれへん。
親が子よりも偉く、いつでも正しい訳ではなく、いつの世も幾つになっても学び成長していくのが人生の楽しさやろなと考えさせられた作品でもあった。
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