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明日、君がいないのmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

明日、君がいない(2006年製作の映画)
3.6
まず観て思ったのは、「エレファント」の影響をモロに受けてるって事ですね。
キラキラとした木漏れ日や、学校の風景、手持ちカメラでひとりひとりを誰かの視線のように追うカメラワーク、ピアノ、高校生の群像劇、死・・・。
「エレファント」と違うのは、ひとりひとりの内面が良く描かれているところでしょう。

いつもと同じような風景だけど、そこに主に出てくる高校生は、誰にも言えないかなり深刻な悩み、というか痛みを抱えています。
生きていく事に絶望してしまうような苦しさを抱えているのです。
思春期の多感で繊細な時期だからこそ誰にも言えないだろうし、その痛みと孤独感はそれぞれ伝わってきますが、結局自殺したのは誰かって言うところで、最後は意外な結末になります。

これだけひとりひとりの内面の苦しみ・葛藤を描いてるのに、なぜかな・・・とも思うのですが、理由は自分自身の存在感のなさ、優しさを向けるのに誰も相手にしてくれない無力感や孤独感なのかな・・・と推測しました。

この映画を作った監督が19歳と言うので驚きです。思春期特有の張りつめた繊細な気持ちの揺れがよく描かれていました。
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