自己満足点 80点
「もっと知られても良い映画」シリーズ第4段!
邦画好きな人以外は恐らく嵐ファンしかよく知らないと思います。
あらすじは、
二宮和也演じる高校生が、母親と妹と3人で暮らしていたのですが、離婚した義理の父親が突然戻ってきたことで家庭に雰囲気がおかしくなります。
そして、妹にまで手を出す父親に対して怒りが頂点に達します。
そこで、主人公は幸せな家庭を取り戻すために父親を殺害する決意をするのですが...
嵐の二宮和也を実力派俳優の地位に押し上げたと言っても過言では無い作品。
かのクリント・イーストウッドが「硫黄島からの手紙」のオーディションの際にこの映画の演技を視聴したところ、「彼は類まれなる才能」と絶賛し、彼を準主役級の役に抜擢したそうです。
若い頃なので拙い所もありますが、本当に光ってます!
母と妹思いで優しいけど、頭が良くてどこか不器用な姿が映画全体の切なさを際立てています。
ヒロインの松浦亜弥も頑張っていて、クールな感じが意外と似合います。
舞台は「海街diary」と同じ江ノ島で、風景と映像の良さが、切ない映画のトーンに合っています。
音楽は雅楽の東儀秀樹で、和風テイストを良い意味で無くしてて一際良く出ています。
一部演技が凄く下手な俳優もいますが、他が良いのであまり気になりません。
あと、監督は亡き蜷川幸雄です。
舞台を主にやっていた人だとは思えない映画の完成度!
天才は何でも出来る人でしたね。
ジャンルはいわゆるクライムサスペンスですが、思春期の葛藤と危うさを切なく綺麗に映した青春映画でもあります。