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中国の鳥人のLudovicoMedのレビュー・感想・評価

中国の鳥人(1998年製作の映画)
3.5
中国の果てまでイッテQ

さあ、今回の三池崇史はかなり本気モードのようだ。 もはや何が面白くて、何がつまらないのか、基準が分からなく、ナシに等しい問題作、衝撃作を量産し続けて、遂にはその歪で異様な作風が海外のマニアに大ウケされている三池監督。

本作は三池監督が手掛けた世界の果てまでイッテQだ。

本木雅弘"もっくん"演じる商社マンの主人公は、中国の取引先へと出張する事になるが、諸事情で石橋蓮司演じるヤクザも同行するハメになり、役立たずの案内人と共に中国の奥地へ向かう。

ロードムービー系のトラベル映画ではあるが、これが超過酷で地獄の黙示録、恐怖の報酬ばりに密林の道なき道を進んでいくのだが、2作品ほどの絶望に打ちのめされる事はない。 本作はとにかくギャグが連発されユーモラスな雰囲気が漂う。 商社マンとヤクザの凸凹バディ映画の要素が強めで三池監督的には、『殺し屋1』や『DEAD OR ALIVE 犯罪者』に近い、ヤクザギャグや不謹慎な笑いでバランスを取り、かなり見易くなっている。

しかし、型通りな展開に転がるわけなく、『型』を気にした事ない三池監督ですので、キッチュさを極めた笑劇なる展開にワクワクドキドキ、魅了されました。
タイトルにもなっている、まぁそんな感じになるのだが、そのストーリーテリング自体がギャグになってるのもウケた。

そして印象的なのがロケーションだ。中国本場で行われてると思われるが、いわゆるパブリックイメージの中国の奥地を次々大冒険していく全編なので過酷さはかなり伝わる。トラベル映画として秀逸な点だろう。
個人的に三池作品の中でもかなり上位なくらい楽しめた。

大衆向けな面白さを含む三池作品なだけに、知名度がまだまだ必要な映画。
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