みほみほ

親切なクムジャさんのみほみほのレビュー・感想・評価

親切なクムジャさん(2005年製作の映画)
3.6
意味深で気味が悪くて、ずっとタイトルが気になってた作品。話の内容やジャンルは知らなかったから陽気なコメディかと思っていたが… 蓋を開けてみると 静かながらにドロついてて不気味だった。

豚の肉欲シーンは許せないくらい気持ち悪かった。プレシャスの毒親を思い出し憤慨しそうになったので、そこばかりは親切なクムジャさんに感謝した。(笑)

チャングムの誓いで人気を博した イ・ヨンエがとても綺麗なんだけど、赤いアイシャドウははっきり言って似合わない。変に化粧をしてない素に近い姿こそ、あの人の魅力を最大限に活かすと思う。

まぁ冒頭までは可愛いとかくだらない事考えていられるんだけど、クムジャさんの復讐に燃える狂気に触れ出すと 無心になっていて、そこはこの監督の出す あの空気感に無事に吸い込まれた証拠なんだろう…

最終的な感想を言うと、意味不明なまま急展開して、話の緩急も何もなかったので、あまり面白く感じなかった。
キャストに歓喜できたという意味では オールド・ボーイ を観た後に観て良かった。もしも前後していたら、最後まで観れる自信はなかったかもしれない。

オールド・ボーイの主要キャストと丸被りなので、ファンにとっては嬉しいのだけれど、この作品はこの作品なので、それが理由になるのも微妙なところ。そこを除くとあまり魅力を感じなかった。

クムジャさんは優しく献身的なのではなく、単に狂っているので、行動に対して その狂気を 親切に結びつけると恐ろしく思えてくる。

オールド・ボーイ は後味が悪かろうが、何度も何度も観たくなる魔力があるのだけど、親切なクムジャさんは一回観て絶妙な思いになる変な映画だった。

オ・デス悪人なのに、オ・デスに感情が入り過ぎてて可哀想に思えてしまったので、この作品には入りきれてない証拠だよな。……残念。

オールド・ボーイ を切り離して 観れた方はいるのだろうか…この作品…。
みほみほ

みほみほ