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ザ・ローリング・ストーンズ/レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザーのKKMXのレビュー・感想・評価

3.9
 81年のライブをパッケージした作品。会場は2ヶ所、ライブ自体は3つ?かな。前半は屋外、中盤は屋内、終盤はミックスという構成です。

 本作を観るのは2度目で、数あるストーンズ映像作品でも、あんまり興味の無かった作品でした。理由は、割とセトリが好きじゃなかったからです。『悪魔を憐れむ歌』『ギミ・シェルター』が無いのはいただけない。

 ストーンズと言えばロケンロール。チャック・ベリー直系の50年代の典型的なロケンロールが音楽的ルーツにあるバンドです。ストーンズはロケンロール大好きで、キャリア初期だけでなく長年同じようなロケンロール・ナンバーを書きまくっております。
 しかし、俺はあんまりストーンズのロケンロールが好きじゃない。ミックのヤローが歌うロケンロールはダサくて嫌なんですよ!一方、キース大先生が歌うロケンロールは大好物!ストーンズの典型的なロケンロール、全部キースが歌えばいいのにね。
 本作だと『ネイバース』『レット・ミー・ゴー』がイヤ。エディ・コクランのカバーもキース大先生が歌えばカッコいいけど、ミックのヤローが歌うとなんかクソ感出る。あと、速めの8であんまり展開の無い『シーズ・ソー・コールド』『シャタード』も嫌いなので、本作はストーンズのライブ作品の中でも自分的にプライオリティが低い作品です。


 とは言え、観ればやはりストーンズ。キースのドラッグ問題もひと段落し、『刺青の男』も成功した時期なので、全体的にパワーがあり、悪くないライブ作品でした。意外と『レット・イット・ブリード』『友を待つ』『タイム・オン・マイ・サイド』が良かった。あと対訳が出るので、これまで人生の重荷を背負う系のブルースっぽい歌だと思っていた『ビースト・オブ・バーデン』がしょうもねぇラブソングだと知りガッカリ。『無情の世界』みたいな深い歌もあるけど、やはりカスみたいな歌詞も多いのがストーンズの特徴。
 キース大先生オンステージは1曲。近年のライブだと2曲歌うからちょい物足りない。しかし、『リトルT&A』というチョイスは最高!ちょっとレア歌だからね、この曲は。しばれるロケンロ〜🎸🥁
 ミックの妙にスポーティーなルックスはお笑いでしたが、キース大先生とロニー、チャーリー師匠はさすがにイカす!また、90年代以降のゴテゴテした大所帯編成に慣れているせいか、ミック、キース、ロニー、チャーリーにサックスとキーボードというシンプルな編成は逆にカッコいい。ただ、このメンツだと『ギミ・シェルター』をプレイできないのが残念。


 そして、本作はストーンズ創生期から支え続けたキーボーディストであるイアン・スチュアート、通称スチュが結構フィーチャーされている印象です。
 6人目(俺的には5人目なんだけど)のストーンズと言われ、グリマーの2人とチャーリー師匠にとって精神的な支柱だったスチュ。ブルースのピアノが上手いとの話ですが、ロケンロール・ピアノもものすごくローリンしていてカッコ良かった!スチュは数年後若くして逝去しますが、彼の勇姿が収められているだけで有り難いです。ちょっとモリッシーと荒井注が合体したようなアジのあるルックスでピアノ弾きまくるスチュはイカす!
 スチュの死でグリマーは仲違い、チャーリー師匠は今更アルコールとドラッグにハマり、ストーンズに最大の危機が訪れます。それだけスチュの存在はデカかったのです。
 ちなみにストーンズ史上2番目の危機は、結成50周年ごろにキースが自伝で「ミックのチ☆ポはミニサイズ」とトップシークレットを暴露&ミック激オコ事件です。これでバンドはついに解散か、となりましたが、キースが公式に謝罪!キースが公式に謝罪するのは珍しいとのこと。アホかッッ!しかし、世界最大のロックバンドが、『ギターがボーカルのチ☆ポのサイズを暴露して解散、しかも結成50年の節目』だったら最高だったけどな!

 また、もうひとりの鍵盤が元スモール・フェイセズのイアン・マクレガンなのも熱いです!スモール・フェイセズ好きだからね〜!


 で、ここからはビル・ワイマンこき下ろしタイム!

 本作で最高にクソだったのは、『シャタード』のイントロでタバコ吸ってる&『ネイバース』のイントロでバンダナいじってるのにベースが鳴ってるシーン!もちろん後から音を被せているのはわかるけど、曲の冒頭にメンバーで音を合わせてバン!という場面で演奏サボるってどういうことだ。まだギターとかなら上物だからいいけど、ベースだからな。音楽の骨格だよ、まさに骨抜きだね骨抜き!骨抜きベーシストだ(読み返しても、やはりこの2シーンは酷すぎる)。
 本作は被せているからいいよ。でもさ、本番だと絶対曲のアタマがスカスカとなるでしょ。コイツマジかよ、と思うけど、マジなんだよな!さすがデカいベーアン持ってただけで世界最大のロックバンドに加入したとんだ一杯食わせ者だ。

 80年代後半はスチュの死により、上記のとおりストーンズは最大の危機を迎えます。キース大先生とミックは反目し、チャーリー師匠は中年期の危機に陥りました。
 そしてその頃。ビルのヤローは何をしていたかと言うと……なんと13歳の女児マンディ・スミスと付き合い(初セクロスは14歳とご丁寧にバラされている)、18になったらサッサと結婚!この時期はちょうどストーンズ最大の危機と重なります。功労者スチュが亡くなり、ミックとキースが修復不能の関係になり、世界中のストーンズファンがやきもきしていた時期、この男は……なんとティーンエイジの女子とイチャイチャ!この頃ビル50歳くらい。やっぱりコイツ、シメた方がいいね!

 で、マンディとの一件が問題となったのは皮肉にも現代。世界一のロックバンドにたまたま所属していただけのベーシスト、ビル・ワイマンのドキュメンタリーが作られたのですが、マンディの件がゲロクズすぎて映画祭で上映中止!当然だ、犯罪者めッッ!ビルはどこを切ってもゴミクズエピソードばかりなので正直観たいけどな!観て1万字くらい悪口言いたいッッ!
 
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