ひゅうどんこ

警察官のひゅうどんこのレビュー・感想・評価

警察官(1933年製作の映画)
4.1
 印象深い文章が出てきたので、書き起こして記しておきます。
以下、

「警察の使命は國家の安寧と静謐(せいひつ)とを保持し
The mission of a police officer is to
guard the peace of the nation and the
serenity of society;

民衆の生命財産を保護して各々其の堵
(かき)に安んじて生活を爲(な)さしむる
に在る
to protect the lives and property of the
populace and allow them to live in
peace;

宜しく廉恥を生命とし犠牲奉公の警察
精神を體(たい)して
to live honorably in the spirit of
sacrificial public service;

威武屈することなく情実に淫すること
なく
or being swayed by personal
considerations.

如何なる場合に於ても自己の危難を顧
ず水火を潜(くぐ)り兇徒と闘ひ殪(たお)
れて後已(や)むの覚悟がなければなら

In any situation, an officer should
combat evil through fire and water
without considering personal danger.

殊に國憲國法を軽んじ國民確信の中軸
たる萬邦無比の我が國體を傷けんとす
る徒輩に対しては断乎として之を膺懲
彈壓(ようちょうだんえん)せねばなら
ないのである
Particularly nose those who would
harm our national structure must be
vigorously combated.

かヽる労苦かヽる職責は眞によく警察精神に生き警察を天職と心得てこそ始めて 完全に遂行し得るのである
These duties can only be
accomplished bythose who live in the
belief that our profession is a gift from
heaven.」

、以上。
※なお「」と、()にての読み方は拙輩にて書き加えておりますが、それ以外の送り仮名、余白、英文コンマの箇所等は劇中での並びのままです。
手を尽くしてみましたが、何の条文かさっぱり判らず。ご存じの方がいらっしゃいましたらご教示お願い致します🤷🏻‍♀️。

 さて、ふらりとお立ち寄り下さったご新規さんの挙げられてたレビューを辿ってたら気になった本作。

 久し振りに、視点にも感情にも躍動感溢れるサイレント映画に出会った気がします。それに、映画初心者🔰の私が言うのもなんですが、今まで観てきたものと違い、白黒無声であるのに”顔“がおよそ80年前のものでなく現代なんですよね。
主役を張ってるお二人はいずれも当時のスター俳優。

 小杉勇は、とにかくその表情に唖然とします。声も音もないのに、心の内を見せるのが上手いこと上手いこと。なのに無声時代劇みたいなオーバーな感じじゃないんです。
 
 そしてもう一方の主役の中野英治。私全然役者名を憶えられないオツムでございますから調べましたら、以前レビューした、『ある映画監督の生涯 溝口健二の記録』で、インパクトあるお姿をしっかり見ておりました。忘れておりました(笑)。横浜本牧のチャブ屋を根城にしたプライベートの暴れ振りにしろ、映画界での無双振りにしろ、役を怖いくらい地で往ってるし、レジェンドにもほどがあるでしょ😥。

 製作された1933年を紐解いてみると、ヒトラーがドイツの首相に就任して政権掌握したり、日本が国際連盟を脱退したりと世界的に暗い影が近付いてはきてるものの、高島屋日本橋店オープン、公営では日本初となる大阪市営地下鉄御堂筋線が梅田↔心斎橋にて開通など、
まだまだ明るい出来事もあった年。
そんな大昔の風景を眺めつつ、驚くべき現代チックなテンポが味わえる91分。

Keisatsukan (AKA Policeman AKA 警察官) (1933) (English Subtitles, Hardcoded...
https://youtu.be/mVrZM0ZbCe4?si=zzWqQa0tE6jCHh6r (1:35:15)

 Mrsフロイさん、旧くて新しい作品と出会わせて下さり、感謝致します🙏