ホイットモア大統領

恐怖の岬/ケープ・フィアーのホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

3.8
『ケープ・フィアー』が面白かったので鑑賞。

基本プロットは一緒なんだけど、逆にリメイク → オリジナルという順で見たことで、スコセッシ版が肉付けマシマシのかなり特異な作品だったことに気づく笑

特にデ・ニーロ演じるマックス・ケイディは、賢さも筋肉も、とりわけ行動の気持ち悪さも、オリジナル版より大分パワーアップしていたと思う!!

じゃあ本作はつまらないか?
と言われると、あながちそうではない!

ロバート・ミッチャムのマックス・ケイディは、デ・ニーロほど何か直接的に仕掛けてくるわけではないんだけど、それゆえのリアルな恐怖があった…!
多分この辺の “日常に潜む恐怖” の要素は、『ハロウィン』のマイケルなんかに受け継がれている気がする。

それを象徴するのが、途中挟まれる「マックスに暴行を受けた女性、ダイアンの元にサムたちが駆けつける」というエピソード!
本筋ではないこのシーンは普通に考えれば余計だし、仮に挿れたとしても、マックスの尻尾を掴むためのシーンなんかにすると思う。

それが本作では、暴行を受けたダイアンがショックで口を割れず、しかもそのまま逃げるように街を出て行く、という選択を取ることで単なる蛇足ではなく、マックスの恐怖をさらに醸成させる効果に転嫁している。

この間接的に伝える恐怖の描き方が素晴らしいなと思うし、実際マックスは対面戦闘になっても強いんだから、人気の悪役に選ばれるのも納得death!!!

対する主人公のサムはグレゴリー・ペックということもあってか、きっかけとなる出会い然り、クズ度はかなり減退。しかし、イケメン度に比例して頼りなさも増加、うーん…となる気持ちは相変わらずでした笑
むしろすぐキレて術中にハマるし、金で買収しようとしたり、やることが小者のそれ笑