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マイ・マザーのデイのレビュー・感想・評価

マイ・マザー(2009年製作の映画)
3.8
ドラン作品、順番通りに観れれば良かったのですけれどもね…。

ほぼ、デビュー作にして、まだドランくんが19歳で作りあげた本作。

後の作品を思い返してみると、ブレて無いなー、流石だなーって。

音楽の入れ方、ジェームスディーンのポスターの入れ方や果物のアップのシーン。

ドラン演じるユベールと彼氏のアントナンがペンキまみれになってからのラブシーンのセンスの良さ!!

それから、ドランくんって、自分の作品に同じ役者さんを使うのね☺️

ママ役のアンヌ・ドルヴァルは"mommy"のママ役だったし

学校の先生ジュリー役のスザンヌ・クレマンは"私はロランス"のフレッド役だったし(mommyにも出てましたよね☆)

"胸騒ぎの恋人"でダビデ像のように美しい顔と思っていたニールス・シュナイダーもちょこっと出てるし…。

でも、この映画、どんな気持ちで観て良いのか分からなかったです。

フランス語題が「ママ愛してる」
英語題が「僕はママを殺した」


「ママを愛して無いけれど、愛さ無い事も出来ない。」

ママは男にだらしない訳でも無い。
ドラッグやアル中でも無い。
暴力を奮って来る事も無い(DVして無い)

ジングルマザーで仕事をして、自分を育ててくれている訳なのだけれど、
そんなママ…一見、普通のママなんだけれど
"生理的に嫌い"とか"そりか合わない"というのを表現するのは、とても難しかったと思うの。

いかにも、ダメ母親じゃない母親を徹底的に反抗してゆくってね…。

ママは少し短気で
そして、何にせよ自分の話をテレビ観てたりしてきちんと聞いていない。
食べ方もイラ付くし
服のセンスも悪い。

カレシのアントナンとアントナンのママの関係を眩しく感じたり…

ユベールもママに構ってちゃんなのよね。
だから、ママが話半分にしか聞いて無かったらキレるし…。

やっぱり、これはこれで究極の「マザコン」の話なのかもしれない…。
愛と憎悪は裏表。紙一重だし。

子供の頃はあんなに愛してくれて、たくさん出かけたのに…。

でも、7歳の時に両親が離婚して、ママ自身も躁鬱病(二極性障害)になったって言ってたから…
そこら辺でママとの関係が狂い始めて来たのかも。

大人になっても、親との関係が修復出来ない人もいますが
私はユベールはやっぱりママの事を愛しているんだと、"私の中で"確信して、少しホッとしたのです。

そこまで"毒親"に思えなくて、少しママが可哀想に思えてしまいました。

この作品って、ドランくんの自叙伝っぽい作品なのかな?

ママを大切にしてあげて欲しいな…。
「孝行したい時には親は無し」
なんですよ?

この母子はきっと大丈夫よね☺️
そんな余白や余韻が残る映画でもありました。
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