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宗方姉妹のkazu1961のレビュー・感想・評価

宗方姉妹(1950年製作の映画)
3.8
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-027 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋小津安二郎監督が松竹を離れて、初めて新東宝で撮影した文芸作品です。“宗方姉妹”、二人の全く違った姉妹、古い因習に囚われて生きる姉節子(田中絹代)と奔放で自由な妹満里子(高峰秀子)を対比させながら、戦後になって日本の古き伝統や習慣、家族の形が失われていく様を描いた作品です。なので戦後モダニズムが随所に表現されています。

🖋そしてクライマックスに見られるように小津安二郎監督にしては珍しくドラマティックな作品になっています。重苦しい結末に対して、全編を通して高峰秀子にテンションの高い演技を求めて対比していく演出は小津安二郎監督ならでは。結末は姉の美徳や道徳感というものなんでしょうね。

🖋演技面においても素晴らしい俳優陣が多く出演しています。笠智衆、山村聰、上原謙。。。それでも本作の主役二人、やたらモダンでハイテンションな演技を続けた高峰秀子、そして女性の悲哀をその表情で全て演じ切ってしまう田中絹代、この二人の演技がずば抜けています。ラストショットの京都御所を歩く二人、着物姿の姉とモダンスーツ姿の妹さんの対比も素晴らしいですね。

🖋小津安二郎監督のローアングルなどの特徴的な撮影技法は既に見受けられますが、カットで繋ぐ編集が非常に多く、そこは少し気になりましたが。。。

😌Story:(参考: Amazon)
日本の古い因習に縛られて生きる姉・節子(田中絹代)と、そんな呪縛から解き放たれて自由に生きる妹・満里子(高峰秀子)。節子の夫(山村聰)は失業しているため、いやいやバー勤めをしている節子は、ひそかに神戸の家具屋・田代(上原謙)に惹かれているようだが、満里子はそんな姉が気が気でならない……。

🔸Database🔸
・邦題 :『宗方姉妹』
・原題 : ※※※
・製作国 : 日本
・初公開 : 1950
・日本公開 : 1950/08/08
・上映時間 : 112分
・受賞 : ※※※
・監督 : 小津安二郎
・脚本 : 野田高梧、小津安二郎
・原作 : 大佛次郎
・撮影 : 小原譲治
・音楽 : 斎藤一郎
・出演 : 田中絹代、高峰秀子、山村聰、笠智衆

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
小津安二郎が松竹を離れ、はじめて新東宝で製作した作品。日本の伝統的な価値観を大事にし、ニヒリストめいた夫に耐え続ける姉と、そんな姉に反発する現代的な妹の対比を通して、戦後の日本の家庭の崩壊を描く。原作は大佛次郎。
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