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パーフェクトブルーのmのレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
4.7
今監督作品の中で一番怖いと聞いていたので、ビビって観れてなかったけど、なんというか怖さよりも悲しさや切なさが残る作品で、個人的にはパプリカと並ぶくらい、もしかしたらそれ以上に大好きな作品だった。なぜもっと早く観とかなかったんだ…。
私は今監督の描く人間の弱さや狂気の表現がとても好きで、特にこの作品は「人間によって人間が壊されていく様」がより鮮やかに描かれているから他の作品とはまた一味違った恐ろしさがあった。
主人公の未麻ちゃんは元アイドルというだけあって、見ていて思わず好きになってしまう、素直で純粋で謙虚な、絵に書いたような良い子。そんな彼女が闇に侵食されていく様は何とも言えず悲しい。
劇中では、未麻が出演するドラマのストーリーと未麻自身のストーリーが交錯し、もはや何が現実で何が妄想なのかわからなくなっていく。
「ああ最近はやりのインターネットね」っていうセリフがあるほど、まだインターネットがそれほど浸透していない時代に、アイドルとファンの距離感、インターネットとリアル、多重人格などの問題をテーマとして扱っていることに驚いた。
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