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グレイテスト・ショーマンのmのレビュー・感想・評価

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
2.5
ミュージカル大好きだけど、この作品ははっきり嫌いの部類に入る。ヒュージャックマンの役が最初から最後まで利己的で倫理観欠けててイライラが止まらなかった。

お金儲けにしか興味がない主人公に付き合わされた結果、社会からはじかれてきた人達が居場所を作ることができたわけだけど、結局ヒュージャックマンは演者を全く大事にしないから演者はただ搾取されただけ。演者を粗末に扱う人が「人を笑顔にしたい」なんて嘘くさくて残酷。演者にとっては、自分を救ってくれたと信じていた人にさらに裏切られるというより絶望的な状況にしかなってなくて最悪。

特に、彼らにとってその見た目は、これまでの人生ずっと社会から拒絶されバカにされ自分のことも愛せなくなる程の障壁であったのに、無責任に「ユニークだ」と評するのは軽率すぎる。「みんなに愛されるようになる」という言葉で誘うけど、実際ステージに立ったことで、演者が見せ物としてではなく「人間」として社会から認められる描写はあったか?挙句の果てに自分のメンタルケアまでさせる主人公が嫌いでしかなかった。
あれだけ経営も演出も丸投げしていたザック・エフロンに取り分10%しか与えてなかったのも衝撃でした。
最後改心(?)したように見えて、一番経営がヤバそうな時にザック・エフロンにまた丸投げして逃げたことも、放置してきた倫理的な問題は全然解決せずに終わってしまったことも、すごく残念な気持ちになった。

「フリークス」を扱う映画のくせに目立つのはゼンデイヤとザック・エフロンで、結局美男美女。小人症の人や髭の生えた女性の恋愛も描いてみたらどうだ、そこで初めて平等と言えるんじゃないの?と思ってしまった。
こういうテーマを扱うにはあまりにも軽すぎて、私はやっぱり「歌やダンスがいいから倫理的な問題も許す!いい映画だった!」とは言えないなと思った。
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