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スペンサー ダイアナの決意のmのレビュー・感想・評価

3.7
ダイアナの苦しみの原因は、夫や女王のような特定の「人物」なのかと思っていたら、内面を知るにつれ、家族も使用人もそこまで悪い人では無く、むしろみんなそれぞれに苦しみながらも自分の役割を受け入れようとしている人たちだということがわかる。ダイアナを苦しめていたのは、文化とか伝統とか空気感みたいな目に見えないもので、最初から最後までずっと息苦しかった。何となくこの映画に漂う重苦しさは、大晦日や正月に父方の親戚の集まりに参加する時に感じる息苦しさや違和感の延長線上にあるように感じた。
ダイアナの場合、そこに国民からの視線に晒され続けるというプレッシャーがあって、こんな立場にいたら、誰でも精神病んでしまうよなと思った。逆に、ダイアナ以外の人達はなんであんなに冷静に自分の運命を受け止められているのか不思議に思うくらいだった。
マギーのシーンが結構予想外の展開だったので、こちらまで嬉しくなって救われるような気持ちになった。こういう描写があるのは素直にとても嬉しい。
クリステンはただ美しいだけじゃなくて、存在自体がロックなところがあるから、この役に起用した理由はよくわかる気がした。
この映画をみていると日本の皇室が嫌でも浮かんでしまう。誰かの人生を国民や国家の犠牲にしてしまっていいものか、時代に合わせて文化や伝統みたいなものも見直していかないといけない。
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