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星の子のmのレビュー・感想・評価

星の子(2020年製作の映画)
2.8
家族からの解放がみたかったのに、それどころかこれからも囲い込まれてしまいそうな雰囲気で正直苦手。

「親も愛がある」とか「誰も悪くない」っていう意見もあるけど、お金をつぎ込んで家を貧しくしていたり、自分たちの信仰を子どもも当たり前に受け入れるものだと思っていたり、子どもが家出するような状況まで追い込んだり、親を信じていいものか葛藤させたりする時点でしっかり親が悪いと思う。信仰を個人だけに留めるなら問題ないけれど、立場の弱い子どもを巻き込むのは違う。「信じるのは自由」というのは親にだけ言えることで、子どもが自分の意思と関係なく入信させられている状況をふわっと肯定するために使われてはいけない。

大人になれば他の選択肢が増えてくるけれど、子どものうちは他に頼れるものがあまりないから、親にすがってしまうんだと思う。その現実に本人なりに「親を愛してるから」という理由をつけて精一杯正当化しようとしていることを、外野が真に受けてはいけない。頼れるものがなくて囲いこまれている状況を「家族愛」とか「親の愛」としてぼんやりくくってしまうのは暴力的だとすら思う。

ちーちゃんは両親と同じ流れ星なんて一生見えなくていいから、自由になって欲しいとひたすらに思う。
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