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つぐないのhanaのレビュー・感想・評価

つぐない(2007年製作の映画)
4.2
ジョー・ライト監督作品。
久々に観ましたが、やはり傑作。

空想好きの少女ブライオニーは物語を頭の中で作ってタイプライターで書き起こすのが大好き。密かに憧れを抱く使用人ロビーと姉セシリアの微妙な距離感から目が離せない彼女は、ある時思いもよらぬ考えを思い付く。

真相を掴みやすくする為に、物語はある時点までブライオニーの視点、姉セシリアとロビーの視点と二通りで描かれています。

タイプライターを打つ音が全編に鳴り響るのですが、ストーリーを知っている身からすると何とも不安に駆られる音。

空想の世界に浸りがちな少女には、物事の本質がまるで見えていなかった。勿論、彼女だけの責任ではないし度重なる不運に見舞われた結果なのだが、一生消すことは出来ない大罪だ。
贖罪としてブライオニーがしたことは、観る者の心に深く刻まれる。

久しぶりに観たからか歳を取ったからなのか、映画の重さが肩にずっしりとのしかかって、暫く余韻から抜け出すことが出来ませんでした。

ダンケルクの海辺でのシーンは圧巻の一言。1カットで撮った5分には、戦争が終わりに近付き平和への歌を高らかに歌い酒を交わす者、致命傷を負い死を待つ者、悲惨さに精神を病む者、祖国を思い感慨深くなる兵士達の姿が収められていて涙が溢れそうでした。
気になる方は、是非クリストファー・ノーラン監督の「ダンケルク」も観て欲しいです。
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