ピーター・フォンダの、お決まりのレールから外れつつも大スターとしての品格を保ち続けているあの感じは唯一無二だなと思う。初登場シーンから風貌も含めて相当な変わり者だが、見ているうちにだんだんカッコよく見えて好きになってくる。
モード・アダムスは2度のボンドガールを除けばこれが代表作ということになるのだろうか。最初から最後まで出てくるおいしい役どころ。テリー・サバラスも、クリストファー・リーも出てるし、007好きとしては見ておいて損のない映画。OJシンプソンもいるし、大作映画としての条件はバッチリ。
音楽はジョルジュ・ガルヴァランツ。小気味良いパーカッション、美麗なストリングスに油っこいブラス、そんな壮大なディスコサウンドはまさに「ザッツお仕事大作戦感」があって気持ちがいい。これに『チャーリーズ・エンジェル』や『ルパン三世』などが加わると、日本人が持つハイセンスな犯罪アクションの漠然としたイメージができあがるのだろう。
砂漠をジープで爆走すると、絶対柔らかいところに乗り上げて全員車から吹っ飛ばされる、という一生活用しない学びを得た。