円柱野郎

ストレンヂア 無皇刃譚の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

ストレンヂア 無皇刃譚(2007年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

まさにチャンバラ映画。
アニメならではの迫力ある剣戟は見事だし、実写では出来ないウソを巧みに使いつつもファンタジーになりすぎず、ちゃんと時代劇になっているところに好感が持てる。
というか、見せる殺陣としてはもう最高級の出来でしょう。
アクションシーンだけでも十分お腹いっぱいw

そして、描くところは描き、そぎ落とすところは落とした脚本もなかなか上手い。
特に主人公“名無し”の過去を別のキャラにさりげなく説明させるあたりは小ニクいねえw

劇中でも世界観についての説明は明示的にはされない。
でも異人とおぼしき者達のことを明云々と言っているので「ああ、室町~戦国くらいか」とか、不老不死絡みの話も徐福の物語を連想するので相手が中国というのに納得がしやすかったかな。
まあ、このあたりはある程度の知識がいるのではないかとは思ったけど。
結構昔の言い回し(“陰嚢(ふぐり)”とか“唐土(もろこし)”)も出てくるしね。

そのあたりの設定がきちんとありつつも、主人公と少年“仔太郎”の関係があり、虎杖の下克上の話があったりするのは、なかなかに厚みを感じるところでありました。
でも“剣の使い手が少年を助ける”とか“主人公が名乗らない”とか、時代劇であったり西部劇でよく観るプロットがそこにはあるわけで、実は所謂“ベタな話”なんだけどねw

でもそれが面白いと感じるわけなのだから、エンターテイメントとして、アクション時代劇を敢えてオリジナルで作り上げたボンズのこの作品は良くできてる思います。
円柱野郎

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