優しいアロエ

ブギーナイツの優しいアロエのレビュー・感想・評価

ブギーナイツ(1997年製作の映画)
4.6
〈スコセッシismを継ぐ天才児の誕生〉

 70年代アメリカ。カウンターカルチャーの熱気のなか、ポルノ業界はむくむくと勃興。天から宝物を授かったスーパースターを中心に、擬似家族的な膨らみを遂げていった。

 しかし、80年代。ビデオの普及につれて、ポルノ映画産業は次第に萎縮。『グッドフェローズ』がギャングの衰退を、『カジノ』がラスベガスの没落を描いたように、本作『ブギーナイツ』もまた、時代の潮流にともなうポルノ業界の(あまりに早い)沈降を見せたのだ。

 しかし、かつてのスターは再び勃ちあがる。最後は『レイジング・ブル』よろしく、鏡に映る自分を見つめ、俺はまだやれるぞと自らに言って聞かせるのであった。
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