サム

ブギーナイツのサムのレビュー・感想・評価

ブギーナイツ(1997年製作の映画)
3.6
97年作、70〜80年代にかけてのポルノ業界の光と影を映した映画(wiki参考)と興味を惹かれて見てみた。特に才能はない、落ちこぼれの主人公がたった一つの生まれ持った武器(この映画ジャケのインパクトすごい)でスターを目指し業界に飛び込む、変わった視点の青春(?)群像劇。

155分もあるのでどんな大作かと思ったが、テンポ感があってほとんど長さは気にならなかった。あの頃を思わせる楽曲たちが映画のムードを盛り上げていて、特に終盤にかかるビーチボーイズのGod only knowsは染みる後味。ポルノ業界について色々取り上げるというよりはポルノ業界に入っていった「人たち」をテーマにした映画で、普段見ないあの業界を覗こう的な内容を期待すると少し肩透かしかもしれない…ポルノ業界にもアワードがあるのには個人的に驚いたけれど。ただ、70年代から80年代へ、色々なものがまた変わっていく…そんな当時の空気は存分に伝わってくる。面白い映画でした。

これの脚本草稿を17歳で完成させている(そして27歳で監督として映画にした)のはやばい。ポール・トーマス・アンダーソン監督。他の作品も見てみたい。


ネタバレというほどではないけれど、


検索してみると「血のつながりは関係ない、共同体としての家族関係がテーマ」みたいな感想を見て、なるほどーと思った。確かにあの中に自分もいてみたいよな、いやあんなドラッグまみれの空間は嫌だな…とか苦笑。いつかまた見たいな。
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