ミチ

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチのミチのレビュー・感想・評価

4.9
いやー泣いた。泣きまくった。

ヘドウィグは大柄で、派手で、化粧もケバくて、でも観終わる頃にはそんな彼女を誰もが好きになると思う。

ただ、ただ、愛と自由を求めて歌うヘドウィグは、本当に美しくて、壊れやすくて、愛おしい。

映像も色使いがポップで鮮やかで、時々入るアニメーションもかわいい。
自身の存在を訴えかけるようなヘドウィグの強烈なファッションも素敵。

ヘドウィグとトミーが洗濯物のカーテンをすり抜けていくシーンは、何度観てもドキドキするほどロマンティック。

人はいつも自分の欠けた部分を何とか埋めようとする。
自分は完璧なんだと、欠けてなどいないんだと、傷口にフタをして自分に言い聞かせる。

でもヘドウィグは違う。

あたしは欠けているのと歌う。
あたしは欠片を探してるのと歌う。

その純粋な歌声に、私たちは自分が欠片であることを思い出す。
欠けていていいんだって思わせてくれる。

自分の傷口を観るのは痛くてつらい。
だけど、それを認めないと、本当に前を向くことは出来ない。

たくさんたくさん傷つきながら、その傷と向き合い、前を向くヘドウィグの姿は、見ていて痛々しいしつらいけど、そのぶんこの世界の何よりも美しく見えるはず。

ラストはもう本当に神がかっている。