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赤ちゃん教育のSPNminacoのレビュー・感想・評価

赤ちゃん教育(1938年製作の映画)
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ケイリー・グラントとキャサリン・ヘップバーンのマシンガントーク、次々巻き起きるトラブルと身体を張ったドタバタアクション、そして豹!豹が猫みたいでかわいい。あと、頭にセロテープみたいなのがくっ付いたファッション何あれ??
古生物学者ディヴィッドは結婚を約束しながら婚約者と会えず、子供は研究の邪魔と言われながら“ベイビー”を押し付けられ、寄付を乞うはずの有力者に嫌われ、大事な恐竜の肋間鎖骨は逃げ、何もかもアベコベな展開が怒涛のように押し寄せる。何せ出だしからあなたの物は私の物、私の物はあなたの物。所有と主体性が入れ替わり、嫌いな相手を好きになるのは、「恋の衝動は人の行動に矛盾を生じさせる」から。何もかもクレイジー!
まあ何たってクレイジーなのは、キャサリン・ヘップバーン演じるスーザンである。スーザンこそディヴィッドの築き上げたものをすべて壊し、無茶苦茶な事態を引き起こしていく猛獣。2人は豹と犬が出会ったようなもので、喰うか喰われるかと思えば何故か仲良く戯れる。この猛獣を捕まえるには、愛を捧げるしかないのだった。
最後まで止まらない破壊と崩壊とカオスは、マルクス兄弟に勝るとも劣らない。当時こんなナンセンスな脚本で、人と豹と犬を共演させて(ひー!)、狂気のハイテンションを作り上げたハワード・ホークス恐るべし。
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