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メリー・ポピンズのtetsuのレビュー・感想・評価

メリー・ポピンズ(1964年製作の映画)
4.0
最新作の予習として鑑賞!!

自由奔放な子供たちに手を焼く夫婦。
そんな彼らのもとに、空から不思議な家政婦"メリー・ポピンズ"がやって来た...。

幼少期に見た覚えはあるものの、子供心に長く感じてしまい、少ししんどかった記憶。笑
なぜか、クライマックスの「煙突清掃員たちがダンスするシーン」だけは印象深かったような...。

そんなこんなで、今回改めて観ると、それも納得。
子供向けのファンタジーではあるものの、舞台となる1910年代の「女性参政権獲得運動」という社会的背景や、銀行での「取り付け騒ぎ」といった子供には少々分かりづらい描写も多々あり、むしろ今の自分だからこそ楽しめる点が多かったです!

実写とアニメの融合や宙を舞い踊る登場人物、魔法で動き出す家具や、ドラえもんの四次元ポケットを彷彿とさせる不思議なバッグ、様々なファンタジー要素も前述の現実描写があってこそと思うと、それらのシーンの重要性をより実感しました。

また、本作の魅力は、
・笑うことの大切さ
・仕事をするコツ
・正しいお金の使い方 etc...
子供に教えたいたくさんの教訓を教えてくれるところでもあります。
子供にとって難しい部分があるといえども、現代の親が我が子に見せたくなる気持ちはよく分かりました!

余談にはなりますが、
本作の衣装とデザインのコンサルタントを担当した"トニー・ウォルトン"さんは、メリー・ポピンズ役"ジュリー・アンドルース"さんの夫だったんだとか。
彼/彼女らの出会いは12才の頃にまで遡るそうで、そんなエピソード自体も映画の様にロマンチックです。

そして、本作に登場する名フレーズ
「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリトーシャス」
この言葉が何故生まれたのか調べてみると、本作で作者の作詞作曲を担当したシャーマン兄弟の弟が夏休みの退屈しのぎに考えたのだとか...。
結局、本作でメリー・ポピンズが言うセリフの様にこのフレーズに「説明は不要」だったようです。笑

というわけで、開始早々『デッドプール』よろしく、第4の壁を破ってくる登場人物といい、今、観ても驚きのシーンが多い本作。
今やミュージカル映画の古典となりつつある作品ですが、最新作が公開された今だからこそ観ておきたい傑作ファンタジー映画でした!

参考

イギリスの女性参政権
https://www.y-history.net/appendix/wh1502-056_0.html
(こちらで当時のイギリスの女性参政権に関する歴史がまとめられています。)

テロリストと呼ばれた女性たち - サフラジェットが戦い、遺したもの - イギリス女性参政権運動の歴史 -
http://www.news-digest.co.uk/news/features/16117-womens-suffrage-movement.html
(本作には描かれていませんが、色々と大変な時代でもあったようです。)

取り付け騒ぎ - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%96%E3%82%8A%E4%BB%98%E3%81%91%E9%A8%92%E3%81%8E
(日本史の授業で出てきたのを今でも覚えています。)

2019/2/7追記
#シリーズ:実写×アニメ
を追加しました
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