SPNminaco

ブロードキャスト・ニュースのSPNminacoのレビュー・感想・評価

-
少年少女時代で始まるオープニングが巧い。ロマコメに大事なのはキャラクターとキャスティングと脚本、ここですっかり愛すべき主人公たちに掴まれた(いじめっ子に言い放つ台詞が最高!)。ギークとジョックだった3人が、やがて熱血敏腕プロデューサー、優秀だけどTVに向かないリポーター、愛嬌だけで世渡りする新米アンカーに。活き活きと跳ね回るホリー・ハンターは可愛いらしく、彼女を想うアルバート・ブルックスのペーソスも良いが、まだ線が細いウィリアム・ハートののほほんとしたお気楽ぶりが面白い。ままならずもどかしいトライアングルは絶妙のキャラクター描写と化学反応。『フィラデルフィア物語』から本作を経て、アーロン・ソーキンTV『ニュースルーム』にも影響を感じる。それぞれに選んだ真実を見せるほろ苦いエピローグも、それまでの忙しなく狭いスタジオからのどかで広い公園となり、ゆっくり立ち去るウィリアム・ハートの後ろ姿を背景に捉えた1カットロングショットが洒落ていた。同時代の『恋人たちの予感』とムードは似てる。
SPNminaco

SPNminaco