矢口史靖監督、西田尚美主演。
お金が大好きで銀行に勤めるOLが、銀行強盗の襲撃で人質となる。
山中に逃亡するも事故で現金は紛失。
何とか助かるも紛失した現金を忘れられない。
現金のおおよその場所を知っているのは自分だけ。
「人の金を数えている場合じゃない！」
紛失した現金を探すため、銀行を辞めて必要なスキルを学んでいくポジティヴ・コメディ。
「裸足のピクニック」ではひたすら不幸に見舞われる女を描いた監督が、その毒っ気をそのままに、今作も不幸に見舞われる女を描く。
しかし本作の主人公はひたすらポジティヴ。
壊れているんじゃないかと思うほどポジティヴ。
だからそこに笑いが生まれ、主人公に共感していく。
この金の亡者で、毒っ気とひたすらワンマン・ポジティブな主人公をモデル出身の西田尚美が体当たりで熱演。これ以降、矢口組の常連となっていくし、今ではバラエティでも活躍している。
「裸足のピクニック」で矢口作品に出合い衝撃を受けたが、次作である今作の方が自分はお気に入り。若い時代の鋭い感性と毒っ気が持ち味で、インディペンデントな空気を残しつつエンタメとして成立している。
