K助

JAWS/ジョーズ2のK助のレビュー・感想・評価

JAWS/ジョーズ2(1978年製作の映画)
1.6
前回は打ち上げ花火、今回はバーベキュー。

サメ映画の開祖にして至高な『ジョーズ』の続編。アミティ海岸に再び現れた人喰いザメと対決する、ブロディ署長のお話です。

「平和な海水浴場が人喰いザメの恐怖に襲われる」という基本プロットは『ジョーズ』と同じだけど、同じプロットを使って、ここまでつまらない作品になるとは(嘆息)。

序盤はそれなりに緊迫感はあるものの、トータルで見れば緊張感に欠け、弛緩した時間が過ぎるだけの内容。『ジョーズ』がその上映時間のほとんどにおいて「サメ」が物語の主軸としてしっかりと据えられていたのに対し、こちらは「凶暴な人喰いザメが存在するのに、それに気付かず平和な水遊びをする若者たち」が物語の中心を占めているので、どうにも締まらない。

締まらない物語であるゆえか、人喰いザメもちょくちょく登場はするものの、人間をパックンチョするシーンはほとんどなく、看板に偽りアリ。
主人公たるブロディ署長も、『ジョーズ』では能動的にサメ狩りに関わっていたのに対し、本作では成り行き任せで流されるだけであり、その積極性においても差がある。

「サメを狩る」という物語上の目的に対して、物語の導線がしっかりとしていないが為に、スリラーとして必要な緊張感をどこかに置き忘れたような展開となり、観終わった時には「二時間を無駄にしたなぁ」という感想しか湧いてこない悲しみ。
残念ながら、これでも『ジョーズ3』や『ジョーズ4』よりははるかに面白いのだから、配給会社の思惑だけで作られた映画の悲惨さを象徴するシリーズではあります。

しかし、アメリカ映画に出て来る若者って、何故にここまで不快感を与える存在が多いのでしょうね。親に反抗しまくるくせに、いざピンチになると泣き叫んで親を呼ぶ。それが子供だと言われればそうなのですが、ゲンナリさせられる事も、また事実で。
K助

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