K助

劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- Paladin; AgateramのK助のレビュー・感想・評価

2.2
半年待って公開された、後編。
ソーシャルゲーム『Fate/Grand Order』の中では屈指の人気を誇るエピソードだが、果たしてその出来は…?

うーん、僕的には微妙。と言うか、作品としては前編よりも駄目な感じですね。
シナリオ的には「聖槍に支配された獅子王の暴虐と、それに逆らうカルデアのマスターとその仲間」という図式なのですが、限られた上映時間の為か、物語の中で語られる因縁が全て「円卓の騎士」に限定されてしまっており、主人公たち以外の登場人物が「円卓の騎士が籠る城を攻める道具」でしかない。

評価の高いバトルシーンも、空を飛んでエフェクトかけてるだけ、という代物。ナニをするためにナニしてナニになった、という表現のステップが踏まれていないので、エフェクト食らって弾き飛ばされて、の繰り返しにしか見えない。
加えて、後半の連続バトルで制作者が力尽きたのか、BGを中心に作画崩壊が酷い。Blu-ray収録の際には手直しするんだろうな、オイ。

物語の肝腎要である「ベディヴィエールの贖罪の旅路の終わり」も、ゲームの方が上手く表現出来ていて、しょんぼり。
前編では効果的に使われていたテーマ曲も、忘れ去られた感じでして。

結論としては、今夏公開予定の『Fate/Grand Order -終末特異点 冠位時間神殿ソロモン-』は観に行きません、ってところかな。

自分的にすごく気になったのは、アバンタイトルで瀕死のアーサー王から聖剣エクスカリバーを受け取るベディヴィエールのシーン。元ネタである『アーサー王の死』では、ベディヴィエールは隻腕の騎士として登場。それ故に、魔術師マーリンによって聖剣エクスカリバーを義手に擬装して装備、というゲーム内設定だった筈なのに、アバンではアーサー王から何度もバンバン両手で受け取っているんですよね、エクスカリバーを。隻腕設定はどーした。義手に擬装したエクスカリバーを装備する為に右腕切り落としたんか君は、と小一時間。
ホント、お粗末な作品でしたわ…。
K助

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