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アニー・ホールのろのレビュー・感想・評価

アニー・ホール(1977年製作の映画)
3.8

人生は寂しく惨めで苦しく、しかもアッという間だ


昨日は学校のガイダンス、そして明日から授業スタート。
長かった春休みも、ついに終わってしまいます。。

さて、ウディアレン作品を観るのも4本目。
ついに「アニーホール」を観ました(*^^*)
面白いですね~。映像もアルビーのキャラクターもクセが強い!
”シニカルな笑い”を存分に堪能できます。


コメディアンのアルビーはアニーホールと出会う。
付き合い、同棲し、別れ、また付き合う。
2人の現在の恋愛模様と過去が同時進行で描かれる。

時に議論を交わし、ケンカをしながら、
同じ時間を過ごしていく。

本屋さんで見つけた「死の否定」。
アルビーはアニーにこの本を買ってあげることにする。
彼は語る。
「僕の強迫観念は”死”なんだ。僕は人生に悲観的でね。人生は悲惨でみじめ。この2つしかないと思ってる。でも惨めなのも生きている証拠。惨めなのは幸運だ」

そして、2人は公園に向かう。
ベンチに座りながら道行く人を観察。想像力を働かせる。
「見ろ、あの人はミスターマイアミビーチ。陽気な2人は祭り帰りかな」「イタリア系の彼はマフィア」「紳士は口髭がお好き」


現実的な女性と自己中心的な男性

この映画を観ていると、ウディ演じるアルビーの”イタさ”に何度も笑ってしまいます。自分は特別だと思いたい、思われたい。その気持ちも分かるし、何より人として完璧ではないところに魅力を感じます。
一方、アルビーへの気持ちが冷めてしまったアニー。
アルビーとは合わない。そう悟った彼女は彼から離れることを決意。
未練たらたらのアルビーは”結婚”という言葉で彼女を引き留めようとしますが、アニーはもう別の道を歩んでいる。その潔さがなんとも女性らしいですね。

ラストで都合のいい脚本を書くところもアルビーらしい。
現実は上手くいかないけれど、理想ぐらい思い通りに。
そんなアルビーの想いが伝わって、自然と笑みがこぼれます。

恋愛って自分の思い通りにならない。
悩んだり、苦しんだり、辛かったり。
けれど、それでも人は恋をする。

このラスト、私は好きです。
ろ