よう

007/ワールド・イズ・ノット・イナフのようのレビュー・感想・評価

2.5
ブロスナン版一気見3つ目。

前2作と比べシリアス寄り。
背景にある誘拐事件はこちら側にも敵側にも影を落としてるし、ソフィ・マルソーも比較的陰のある存在感。
話の展開としてもツイストがあって前より複雑な印象。ただ、その正体の明かし方とかがうまくないのもあって、サプライズとして効果的ではないかなと。

アクション見せ場は、テムズ川チェイスはMI6の爆破からの流れもあってよかったけど、全体的に地味め。
敵側のパラシュート隊やヘリカッターっていうアイディアの面白さはあるけど、どちらも攻撃しづらいのでは?って思っちゃう。カッターで切り刻むよりミサイル撃ったほうが早いじゃんって思ってると実際に撃つもんだから、それでいいじゃんってなる。
敵ボスの設定には最初いいなって思ったけど、不死身感をアクションでもっと出せばいいのに。怖さを感じない。
ボンド側のほうで何かガジェット的面白みに欠けてるのかなと。カジノでの透視サングラスは笑ったけどね。

今作で抜けのよさを担保してあるというか、シリアスとは逆要素になってるのが、デニス・リチャーズ演じる科学者。
登場からタンクトップ。当時は批判されたようだけど、科学者然してない科学者はあり。
ただ、もうちょっと活躍の見せ場が欲しかった。
あと、男に興味ないタイプなのに結局そうなんのかいっていうツッコミはいいとして、最後のオチはどうかな。いつもならあのオチでもいいかなってなるけど、今回の映画全体のトーンと合ってない。最後になって前2作のトーンに戻したってことなのかなあ。

核の扱い……。
あと、「これで核家族だ」って和訳はどうかと思う。

Qがこの作品で引退。実際に演じてた役者さんの遺作になったらしい。
あくまで結果論だけど、だからこそもう少しボンド側のガジェット的面白さが欲しかったと思ってしまう。
Qは出てくるだけで面白みがあって、ボンドへの文句がいい感じだったなあ。
よう

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