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ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!のRenのレビュー・感想・評価

4.0
『ラストナイト・イン・ソーホー』を受けて再観賞。なんか評価4.0ってしてるけどもう実質5.0です。面白いから観てね、って、言うことそれだけなので。

ウルトラハイスペック刑事が20年間事件の無い田舎町に左遷されてあーだこーだするだけ。やっぱり喜劇は基本的に、超真面目なやつと振り切ってオカシイやつが出てこないと面白くなくて、今作ではそこを完璧にカバーしている。下地からコメディですよ〜と宣言しているため、どれだけグロい死体が出てきても笑える無敵状態が作れる。

カタブツな人間が冷静さを失う系の展開の中でもトップレベルに面白い。唯一と言っていい観客目線の狂言回し・ニコラスが狂っていく。村から誰一人冷静な奴が居なくなって、誰が何をやっても面白いところまで持っていく力技。刑事ものでこんなのアリかよと言うほどのアクションのつるべ打ち!やっぱりこういう、ルールなんて無い無茶苦茶が一番気持ち良かったりする。

殺人や暴力は映画でしか観られないエンターテイメントなので、その快感のツボを突いてくれるのが気持ち良い。"洗脳の罠" "村コミュニティの地獄" とか問題提起になりそうな部分を全部そのためのフリとして使うのが清々しい。全てをひっくるめて笑い飛ばす豪快さが最高だし、良質なコメディってこうだよなぁとも思う。

エドガー・ライトもタランティーノと同じで、完全に映画観過ぎてオカシくなっちゃった系の監督。タラちゃんは『イングロリアス・バスターズ』が間違い無く転換期だったけど、ライトにとってのそれは『ベイビー・ドライバー』になるのかな?今後も予算をじゃぶじゃぶに使って楽しませてほしい。

その他、
○ 母親の死がある種モチーフとして出てくるのは彼の作家性?
○ 低クオリティミュージカルで毎度笑ってしまう。そんな『Lovefool』の使い方無いだろ。
○ マイケルにだけ愛着が湧いてしまうのはなんでだろう。
○ ここで終わりやろ!からのなんたるオチ。そして人を食ったようなラスト。最近の『ザ・スイッチ』もこんなんだったね。

個人的エドガー・ライトTOP3
① ベイビー・ドライバー
② ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!
③ ショーン・オブ・ザ・デッド
(『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』は未観賞です、すみません)
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