ぎー

ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!のぎーのレビュー・感想・評価

3.5
【エドガー・ライト特集2作品目】
"呼ばれてないけど、参上!"
流石にふざけてた。
今まで見た全映画の中で指折りのふざけた映画だった。
誰よりも優秀なニコラス・エンジェルが片田舎に左遷され、しかもその左遷が何の障害もなくまかり通る世界、という前提がそもそもふざけてる。
この前提は非常に大事で、この前提があるからこそ、映画を見ている我々も些細な事で突っ込むのはやめようと、そう思った。
これで終わりかと思えば、赴任した片田舎の警察が輪をかけて酷い。
もうただただ呆れるしかなかった。
この序盤の笑いのたたみ掛けは見事だったし、繰り返しになるが、視聴者は抗う事なくこの映画のレベルセットにフィットさせられることとなった。

ただ、この映画がすごいのは笑いだけではないところ。
緊張と緩和のメリハリが非常に激しい。
片田舎の村は終始どこか怖い雰囲気が漂っているし、殺人事件の描写はどれも過度にグロテスク。
だから見ていて飽きないし、笑いのシーンの笑いがより激しくなる。

ブラックジョークをベースとしたアクションコメディという唯一無二のジャンルを産み出したのは流石エドガー・ライト。
先に視聴した『ベイビー・ドライバー』同様、唯一無二感をしっかりと感じた。
一方でどうしても終盤のアクションシーンは、片田舎の老人が強力な兵器を操る馬鹿馬鹿しさはあるものの、尺としても長く、膨大な制作費を費やした、いわゆる超大作と比較するとアクションとしてのインパクトの弱さは否めなかったかもしれない。
ぎー

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