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ケープ・フィアーのmichiのレビュー・感想・評価

ケープ・フィアー(1991年製作の映画)
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『恐怖の岬』では逆恨みされる弁護士一家がかわいそうで仕方がなかったのだけれど、今回の弁護士ときたら、恨まれる確固たる理由があるじゃないか!家庭でも問題ありだし、狙われる隙がありすぎて、あまり気持ちが入らなかった。

ということで被害者側を100%応援する気持ちにもなれない状態ではあるものの、でも復讐する気満々で出所してきたケイディが怖すぎる。悪魔のような残酷さと自身を神格化してしまうほどの狂気に満ち溢れたロバート・デ・ニーロ。体を鍛えて鉄人状態で、最後の方でどんなに倒しても立ち上がってくるのはまるでゾンビじゃないか。ロバート・ミッチャム版のケイディもネチネチしつこい不快なやつだったけれど、その比ではない恐ろしさでした。
変装して振り返った姿なんて夢に出てきそう…。
音楽は『恐怖の岬』のバーナード・ハーマンのスコアを使っていて、これがまたケイディの姿とセットでしっかり印象に残ります。

ああ本当に怖かった。

グレゴリー・ペックはこれが最後の映画出演。オリジナルでの理不尽な復讐と闘う品行方正弁護士から一転、いやーな感じなのに周りが何も言えなくなる威圧感。ロバート・ミッチャムとともに、一瞬でしたが嬉しい出演でした。
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