円柱野郎

運命を分けたザイル2の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

運命を分けたザイル2(2007年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

アイガー北壁に挑むジョー・シンプソン。彼はかつてこの北壁で遭難したトニー・クルツと、自身が経験したシウラ・グランデ峰での事故とと重ね、回想する。
トニー・クルツに憧れを抱いていたというジョーの想いは、結局「そこに山があるからだ」ということに聞こえるけど、登山家という人種であれば共感する部分も多いんだろうか。今作では1936年に遭難したトニー・クルツの北壁登攀を再現ドラマで描き、実際にその場所をジョーが訪れて解説するスタイルも取っている。宙吊りになったトニーの最期は、ジョーにとってはアルプスでの体験と重なって余計に感じる部分もあるだろう。ただ、それは分かるのだけど、ことさらにその「今の俺には心境は分かるんだ」と言われても、その個人的な想いの吐露はトニーの話にかこつけて自分の話をもう一度言ってるようにしか見えず、どうも二番煎じ臭がして仕方がない。
実際の登攀や再現ドラマのクォリティは低くはないけれど、相変わらず淡々とした演出に見えるが…。ドキュメンタリーだから仕方がないか。まあトニーの最後については、どう描いてもいたたまれない気持ちにはなってしまうのだけれどね。
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