砂漠の鬼将軍の作品情報・感想・評価

「砂漠の鬼将軍」に投稿された感想・評価

HAYfilm

HAYfilmの感想・評価

3.5
邦題は変えた方がいい。

52歳の若さで亡くなったドイツ軍元帥エルヴィン・ロンメルの死の真相。

W.チャーチルはロンメルについて
「彼は尊敬に値する人物」と語っている。
★ 敵すらも褒め称えた“英雄”の死の秘密

藤子不二雄先生の『まんが道』で知った作品。
ちなみにその『まんが道』では、本作に影響を受けて『砂漠の牙』というマンガを仕上げる…という流れになるのですが、その気持ちが理解できるほどに《ロンメル将軍》の生き様を熱く描いた物語でした。

ただ、物語の主軸としては彼の晩年。
英雄と呼ばれた彼の死の秘密を描いたもの。
だから、序盤を除けば派手な場面は少ないのです。

これは正直なところ残念な話でした。
何しろ“砂漠の狐”と称された人ですからね。彼の偉大なる功績…特にエル・アラメインの戦いについて深く掘り下げた描写が観たかったのです。でも、時代を考えたら…それも仕方のない話なのですよね。

本作の劇場公開は1951年。
未だ混乱が続くアフリカでロケが行えるわけもなく。また映像的に誤魔化す特殊技術があるわけもなく。静的な晩年(と言っても内面的には怒涛ですけれども)を中心に据えるのは当然なのです。

また、現代の観点で言えば。
特殊技術や現地ロケの迫力にも勝る“戦争フィルム”からの引用。こちらのほうが衝撃的なのです。

飛行機から落とされた爆弾。
砲弾が命中した飛行機。
灰燼と化していく建造物。
爆炎の向こう側には“本当に消えた命”があるわけですからね。じわりと背中にイヤな汗が流れましたよ。

まあ、そんなわけで。
生々しく映し出された戦争の中で描かれた“英雄”の死。思わず正座してしまうような…厳粛で渋い物語でした。なお、本作の前にトム・クルーズ主演の『ワルキューレ』を観ておくと、理解が深まるのでオススメです。

ちなみに個人的に好きな場面。
…と言うと、将軍と息子の会話が微笑ましくて捨てがたいのですが、やはり、物語終盤で“将軍が車に乗り込む場面”が一番。静かながらも彼の胸中がじわじわと伝わってきましたよ。物語中盤と対比できる構成も映画的に見事でした。
イシ

イシの感想・評価

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上層部はともかく中には人間らしい人もいましたよ系統の真面目な映画。

まあファシストも人間ですけど。

しっかし…戦争の状態って、ほんと非効率極まりないよね…。
本当の現実主義者なら、相手が攻撃してこない状態に持って行く戦略を取らんかい、と思うし、お金が大事なら、人を瞬殺せんですむ武器の輸出入とかでよくない…? …麻酔銃とか?
backpacker

backpackerの感想・評価

4.0
戦争映画月間。今回はロンメル元帥を描いた『砂漠の鬼将軍』です。
いきなり苦言を呈しますが、邦題が良くない。何故に鬼将軍??
砂漠の狐の方が、ロンメル本人をよく表している気がするんですが……。

国民的英雄ロンメル元帥の謎に満ちた死を、戦後元イギリス軍士官だった男が調べあげ、ロンメルの晩年を語ります。


私の周りには、ナチスドイツとドイツ軍を同様にとらえる方が多かったのですが、これらは全くの別物だと、私は思っています。

ナチスはあくまでヒトラー率いる政治結社と、彼らの操る軍事組織。
一方ドイツ軍という組織は、ドイツという国の為に戦うプロフェッショナル達。
勿論ナチの思想に共感する軍人もいれば、愛する祖国ドイツの為に戦う軍人もいるわけです。
ヒトラーに賛同するもので固められたナチスと、時の政権に率いられる軍部。
やはり、別物じゃないでしょうか?

そんなナチスと軍部の関係性ですが、ロンメル個人に関しては、熱狂的ヒトラー陶酔者だったようです。
しかし、そんな彼も戦争の現実には抗えず。
物量差により苦戦を強いられ、無類の戦術家でも覆せない戦況に置かれながら、与えられる指示は「死守せよ。1ミリも退くな」ばかり。
世界的英雄ロンメルたれども、占星術戦争なんてやってられません。

その後、病気や負傷で国に戻る度に、徐々に反ヒトラー派の考えに耳を傾けるようになっていくロンメル。
ワルキューレ作戦の失敗や、それまでのヒトラーへの忠言が影響し、遂に彼は反ロンメル派によって失脚へと導かれていく……。


最後まで誇り高く、家族を想い続け、別れの時まで気遣いを忘れない。
ロンメルの英雄性と深い情が強く描かれた映画でした。
砂漠の狐と呼ばれたエルヴィン・ロンメルの半生を、デズモンド・ヤングの手記『砂漠の狐ロンメル』を原作に映画化した一作。原作者が本人役で登場したり、ロンメル役のジェームズ・メイソンがロンメル将軍が生前に着用していた軍服を着て登場していたり……と二度見、三度見を誘うこと間違いナシの演出が心憎い。
戦術家であり、あくまでも現場の男として現実を見ているロンメルが、理想主義的夢想家のヒトラーに対して反感を抱いていく経過は興味深い。そして何より、愛妻家としての一面が鉤十字を度外視させる好感度に繋がっていた。
唯一気になったのは、ヴァルキューレ作戦の中心人物であるシュタウフェンベルク大佐だったかも……イヤ、左目のはずの眼帯が右目だった、というだけなんだけど……。

とにもかくにも、こんな優秀な男を殺しちゃうんだからヒトラーってホントにバカだよね、と痛感するそんな一作。
TSUBASA

TSUBASAの感想・評価

3.8
【実在の元帥ロンメルの生涯】
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監督:ヘンリー・ハサウェイ
製作国:アメリカ
ジャンル:戦争
収録時間:88分
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これは名作。ナチスの中にも必死に抵抗をしようとした人物がいたということを知らせてくれる作品だと思いました。Mark数が少ないのは残念ですが、発掘良品にすべき映画と感じました。ドイツ軍の北アフリカ戦線において天才的な能力を発揮した元帥エルヴィン・ロンメルの生涯を描いた作品です。彼はヒトラー暗殺計画の共謀者として悲劇的な最期を迎えますが、果たしてその真相は?
彼の死を前提に、回想的に物語が進むのでそのあたりは『市民ケーン』を参考にしているのか。しかし、僕は『市民ケーン』より今作の方が数段響きました。何故なら、ナチスの将校に焦点をあてながらも、ヒトラーの狡猾さ、そして戦争の無意味さを伝えているからです。

エルヴィン・ロンメル元帥はドイツ内においても爆発的な人気を博していた模様。当初ヒトラーにも気に入られていましたが、その人気さから徐々にヒトラーは彼に脅威を感じていきます。どんな状況でも後退を許さないヒトラーの意見に対し、冷静な判断で異議申し立てをするロンメル。そこが気に食わなかったのか、本来暗殺計画に関与していたか定かではないロンメルを反逆者として自決を迫らせます。

確かにこのような歴史の展開はよくありそうですが、実際に緊迫した映像で見せられたらたまらない何かを感じます。本音とタテマエとはこのことです。みな、言葉を交わしながらも顔で真のメッセージを送っている模様。ロンメルは家族を人質に取られているようなものなので、選択肢は一つしかありませんでした。自軍で類い稀な活躍をした英雄を、その脅威から自軍で殺し、英雄として祀り立てる。人間て複雑な生き物です。ヒトラーの立場になると、民衆から人気になっている人物は本音はともかく、タテマエ上は最待遇で葬らなければならないといったところでしょう。そうすれば、民衆から反感も買わない、自分たちは安全になるという一石二鳥ぶり。故に狡猾です。

それにしても第二次世界大戦期、ヒトラーの暗殺計画が40回以上にも及んでいたのが衝撃的です。ゲシュタポの厳粛な統制により民衆の反乱は不可能だった故、ヒトラーを暗殺できるのは軍部の上層部の人たちくらいだけだったそうです。それでもこれ程暗殺計画が企てられたのは、ヒトラーの信頼度を測る上でも重要なデータです。ナチスとなれば全体的に悪いイメージが付着し、結果的に間違いはないですが、その中にも彼に反旗を翻そうとした人物がいたということは忘れてはいけないのかもしれません。
現に、今作で描かれた暗殺計画の首謀者シュタウフェンベルク大佐はドイツでは英雄とされているそうですし、ロンメルもそうです。

今作で最も感銘を受けたシーンは、ラストのロンメルが家族と別れるシーンです。二人とも心ではもう会えないとわかっているのにいつものように見送る。なんとも切なくて涙が出るシーンです。間違いなく名シーンです。

ヒトラー暗殺関連の作品として、最近の作品ならば未見ですが『ヒトラー暗殺、13分の誤算』がありますが、これも十分そのあたりを伝えている名作と思われます。序盤はそれほどですが、終盤、ヒトラーが出てきたあたりから一気にギアがかかります。興味のある方は是非。

しかし、ロンメルは「砂漠の狐」という異名を持っていたので、原題どおりで良かったのではと思えてしまいます。何故に鬼将軍?
あと余談ですが、今回の主人公エルヴィン・ロンメルのWikipediaの「生涯」の章が驚くほどに長い。こんな詳しい文Wikipediaで見たことがありません。多分プロが執筆してるのでは…
Mariko

Marikoの感想・評価

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「高潔な軍人」役にどハマリのジェームズ・メイソンなのだけど、ロンメル元帥に英語話されても、、と、またしても。
50年代に、イメージも合って演技ができてドイツ語も話せて、なんていうクリストフ・ヴァルツみたいな人がいるはずもないことは重々承知の上で、やっぱりちょっとうーん..とは思ってしまう。
でも、好き。

このレビューはネタバレを含みます

“砂漠の狐”の異名を持つ第二次大戦の伝説的独軍将帥・エルヴィン・ロンメルの後半生を描いた伝記映画。

ロンメル元帥といえば、やはり異名の基になった北アフリカ戦線での活躍が有名だけども、この映画はそのあたりはサラッと触れるに留まり、欧州帰還後から死までの彼の人物像を中心に描いている。
邦題の「砂漠の鬼将軍」は内容からすると少々いかめし過ぎる気がするけど、まあ時代の事もあるだろう。
とにかく、第二次大戦からたった6年後に米国映画で独軍元帥の伝記映画が作られるのだから、彼の人気がどういうものだったかがうかがい知れるというもの。

劇中のロンメルはイメージそのままに高潔な軍人として描かれるし、彼の最期がヒトラーによる謀殺じみた自殺であったことも、より悲劇の英雄としての印象を深くしている。
映画にあっては彼の妻との窓越しの別れのシーンが印象的。
都合2回、同じ様な別れの場面が描かれるけども、お互いに永久の別れと確信している二回目のシーンには胸が熱くなった。
名シーンだと思う。

劇中では軍人として総統を信頼している様子と、戦術・戦略においてはあきれ果てている様子が描かれ、彼の「総司令部からの明快にして愚劣極まる指令だ」等のバッサリ切った台詞は小気味良くはあるが、現場指揮官の心中を察するには余りある感じ。
実際にロンメルがヒトラー暗殺計画に関与していたかはよく分からないが、ドイツのためにはヒトラー政権では駄目だという想いが感じられる様な描き方だったね。
西方総軍司令のルントシュテットと、ヒトラーやヒトラーの戦術を「ボヘミアの伍長」「彼の占星術作戦」などと揶揄している姿が可笑しくも妙に悲しい。
大介

大介の感想・評価

3.3
派手な戦闘シーンなどはなく、戦争映画というより、ロンメル元帥を通してみた数年の伝記映画という感じでしたね。

名前だけは知ってましたが、初めてロンメルという人のことを知りました。

ヒトラーがらみのあんな事件もあったんですね~。

いろいろと興味深い作品でした。

若き日(?)のジェシカ・タンディも出演してます。
ドイツの将軍ロンメル



 2009年10月12日 0時48分レビュー

 

監督ヘンリーハサウェイ。

戦争映画を見ていますと度々聞く名前。

第二次世界大戦中のドイツ軍ロンメル将軍の物語。

鬼という邦題の割に鬼ぶりがあまり伝達されずという印象。

戦闘シーンやセットをニュースフィルムから転用とナレーションも割に主張してくる為かなと思います。

また、鬼たる例えば砂漠での戦況采配や厳しい軍規律も無く、至極真面目にヒトラーに仕えるロンメル。


家族に優しく、曲げない主張。

政治にわ介入せず軍人たらしむる忠誠心等ドラマからわかります。

鬼というか真面目な印象で邦題難あり。

ロンメルの奥様役、ジェシカタンディさんが綺麗。ヒッチの「鳥」以来でしたが若くてお綺麗。

グレンクローズとジュリェットルイスの輪郭と杉村春子の面影を足したようです。(どんな例えだよ)

ヒトラーの襲撃事件やロンメルの最後など興味深かったです。

あとロンメルさんが着ているテッカテッカのロングコート欲しい!

あれを着て街をダッシュしたい。(恐らく「マトリックス」からきている妄想)

「パットン大戦車軍」と比べると足りなさすぎる小粒な出来でございました。

ロンメルの真面目なドイツ軍人の生き様が面白かったです。

追伸
ファミコンソフトで微妙だった「砂漠の狐」ってありましたよね?