よしまる

電撃フリントGO!GO作戦のよしまるのレビュー・感想・評価

電撃フリントGO!GO作戦(1966年製作の映画)
3.6
 2枚組BOXを入手していて、お正月にでものんびり観るつもりだったのだけれど、りょーこさんのレビューを拝見して俄然観る気が湧いてしまったの巻。

 英国製スパイアクション007のジェームズボンドが映画界を席巻していた頃にアメリカが対抗して投入したのが、ジェームズコバーン演じるデレクフリント。

 008がコネリーそっくりに仕立ててあったり、秘密兵器もパクるわけではなくむしろ茶化しにかかってたりと、パロディ作品ながら本家であるイギリス🇬🇧のお株を奪うようなウイットに富んだ作風がとてもオシャレで楽しい。
 要するにハードボイルドを約束された007に比べ、もはや何でもアリなところが60年代ならではのおおらかさであり、ニューシネマ以前のアメリカの余裕なんじゃないかと思った。

 時代的には男は女を侍らせてナンボみたいなところがあったし、多国籍な犯罪組織なんかはむしろ新しい感覚だったのかもしれない。そういう時代背景は楽しむべきところというよりは目を半開きにしておいて、かのブルースリーに指導を受けたというナンチャッテ武術を使いこなし、007のような組織の犬(失礼w)ではなく、類稀な(怪しすぎる)頭脳を持ち、自由人としてパーフェクトな(実はおマヌケなところは愛嬌)エージェントであるフリントの活躍に酔いしれるのが正しい。

 賞レースとは無縁で、映画史の中でも割とキワモノ扱いされている本作ではあるのだけれど、いま見てみると、意外に後世に与えてある影響も大きいように思う。
 流行り物に対するアンチテーゼとしての方向性、パロディ映画としての作り込みの確かさなど、あらためて気付かされることも多い。そして間違いなく言えることは、こんなオッサンは未来永劫もう生まれることはないだろう。

 勿体無いので続編もあるにょw