あられ

エル・シドのあられのネタバレレビュー・内容・結末

エル・シド(1961年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

”エル・シド”伝説で歴史に名を残し、スペインの英雄となった誠実な男の物語。紀元1080年頃のこと、ビバールのロドリゴ=敬称エル・シドはスペイン騎士でキリスト教戦士である。国民に呼びかけ、宗教的対立を超え、スペインを脅かす共通の敵であるアラブ王ベン・ユサフと戦った。

ベン・ユサフは、地中海の対岸北アフリカに軍を集結。キリスト教同士で殺し合いをさせ、弱まったところをアフリカから攻め込む準備をしている。スペイン征服を足掛かりに、アラーの帝国を築くこと=世界征服を目論んでいた😆


決闘や合戦シーンは物凄くかっこよくてワクワクしました。CGがなく凄まじいまでの人馬を要する壮大な合戦シーンには、めちゃくちゃ圧倒されました。

3時間を超える超大作ですが、ロドリゴとシメンとの愛憎劇、領土争いによる内紛、王位継承争いや謀略&裏切り、ロドリゴの追放と放浪などの内輪揉めや内部抗争、また、ロドリゴが命を助けたムーア人、サラゴサ王のモータミンとの友情などの話で2時間以上も費やされていて、ちょっとだれますね😆

追放されたロドリゴ、その後を追ったシメン。監視の目が光っており、二人を助けると手を切られることになっていても、暗くなってから納屋に泊めてくれる民😊

夜が明け、誰も知らない場所で一から新しい人生をやり直すことを幸せそうに語り合う二人。外に出ると、そこには誠実なエル・シドを慕った大勢の兵士たちが...。とても印象的で感動的なシーンでした😊

名誉を重んじ、王に追放されたり、妻子を人質に取られたりしながらも、ロドリゴが王に忠誠を誓う姿は、なんだか清々しい気持ちにさせられます。普通ならあり得ないけど😆

ベン・ユーサフ軍を迎え撃つための拠点として、エル・シド軍がバレンシアを陥落させるために行った、カタパルト (投石機)を使った奇策には感心しました😊

そして、戦士達にバレンシア王位を勧められても頑なに断り、カスティリア王に冠を献上するという騎士道精神には、卑怯な王も心を入れ替えて和解に😆

ラストシーン、王と並んで出撃する、馬上の青白い顔のロドリゴは、一言もしゃべっていません。それが余計に涙を誘います。あっけないユサフの結末は、ちょっと滑稽ですw

”そしてシドは歴史から伝説へとなった” 白馬に跨ったエル・シドがどこまでも続く海岸線を走って行く...。
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