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おしゃれ泥棒のtjZeroのレビュー・感想・評価

おしゃれ泥棒(1966年製作の映画)
3.6
今年(2019年)、生誕90周年(つまり、あのイーストウッドと学年がひとつ違うだけ)のオードリー・ヘップバーン主演作。

それにしても、この邦題はなんかフワフワしたタイトルですねえ。
①おしゃれ(を盗む)泥棒、なのか、②おしゃれ(な)泥棒、なのか分かりづらい。
で、現物を鑑定してみると、やっぱりオードリー主演作なので②のテイストが強かった。

彼女が演じるニコルは贋作家の娘で、父が出品したヴィーナス像が科学鑑定に掛けられそうになったので、美術泥棒のサイモン(ピーター・オトゥール)の助けを借りて美術館から盗み出し、保険金の100万ドルまで横どりしよう…というお話。

偽の美術品を現ナマに替えられるのか?、泥棒のはずだったサイモンの正体は?、婚約中のニコルが本当に好きなのは?…というように、ホンモノとニセモノが入り混じる面白い脚本。

そんな作品の中で輝くのは、オードリーの圧倒的な”ホンモノの”美しさ。
ジヴァンシーの衣装を颯爽と着こなし、コケティッシュでチャーミングでなおかつ上品。
『ローマの休日』でも組んだウィリアム・ワイラー監督が、本作でも彼女の魅力を最大限に引き出している。

『ローマ~』ほどの歴史に残る名作、ってわけではないけれど、オードリーの魅力を堪能する、という意味では遜色ない。
何しろこっちはカラーだから。美術手帖をめくっているかのような色あざやかさ。
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