オープニングクレジットで流れるハワイアンな音楽と映る御宿の海が合っていなくて不安を抱き、当初主人公そうに見えた(朝の連ドラだったら絶対そうなる)純真無垢な香月美奈子が地元に久々に帰ってきた訳ありな筑波久子にどんどん出番を奪われて仕舞いには手を出さないと言っていた彼氏二谷英明を寝取り仕舞いには彼女に非情な結末をもたらすストーリーに唖然。海女さんメインのドラマといい香月の役名がアキであることといいもしかして『あまちゃん』の元ネタ…と一瞬思ったけれどこんなソフト化もされていないカルトな映画をクドカンは見ているわけないので単なる偶然かと、そもそも『あまちゃん』はこんなダークな話ではないし。

東京での仕事を忘れて殊勝に海女の仕事をしますという過去に悩んでいますという素振りは見せているものの実は何も考えていないその場限りな筑波久子、真面目そうに見えて婚約者(仕事の事情で勝手に決められたものの)がいるにも関わらず筑波に欲情して下半身の赴くまま家族に迷惑をかけても何のその筑波と添い遂げようとする情熱的だけどゲスい二谷英明、筑波のかつての男で彼女とよりを戻すたて居着いた村でぺてんなことをして小銭を稼ぐ近藤宏とメインキャラにろくな奴がおらずそれが香月の悲惨な境遇を強調していく。一体彼女が何をしたっていうんだ。

後半二谷と筑波のメロドラマがメインになっていくけれど、アキが犠牲になっているのでまったく共感できない。森永監督の上品な演出は海女ものと噛み合っておらず(若い女性の露出した生足とか撮ってはいるけれど、溌剌さはあれどエロさは無い)とりあえずメロドラマに力を入れているけれど、若い女性の裸など扇情なものを求めてきた客には響いていないし今もそうなので珍品扱いに、あと終盤の大雑把すぎるアクション演出は何なんだ。ただ助監督に後年ロマンポルノの海女もので活躍する藤浦敦の名があり、ここでのノウハウがポルノで生かされているのかと感慨深くなる。

名バイプレーヤー清川玉枝が海女のリーダー役として生足を露出しながら熱演しているのも見所。

〖1950年代映画：人間ドラマ：日活〗
1958年製作で、肉体女優№１の筑波久子が海女に扮してそののびやかな肢体と豊満な悩殺スタイルをふんだんにお目にかける娯楽活劇巨篇の人間ドラマらしい⁉️

2025年1,525本目

• #2025年鑑賞
• #人間ドラマ
• #日活
• #1958年製作
• #二谷英明

とても面白かった。見応え十分。現代の俳優達じゃ絶対に作れない素晴らしい作品。戦う二人筑波久子と香月美奈子はどちらも美人で演技が上手い。その他出てる役者全員いい味出してる。とにもかくにも偉大なるチャコヴァンリューウェン様に敬意を込めて満点献上。