左ききの狙撃者 東京湾の作品情報・感想・評価

左ききの狙撃者 東京湾1962年製作の映画)

製作国:

上映時間:83分

4.2

「左ききの狙撃者 東京湾」に投稿された感想・評価

<新文芸坐セレクション 絶対に観てほしい邦画サスペンス必殺の22本 ’50~’70年代> 20:50開映(19:00開映『背徳のメス』併映)
takandro

takandroの感想・評価

4.3
面白い…凄い、85分って凄い。とてつもなく良い。
海をバックにした素晴らしいショットとラストの終わり方には鳥肌立った。2年後に控えた五輪を見つめる東京湾を、当時の人はどんな風に見えていたのか。

佐藤慶の贅沢な使い方贅沢だ。西村晃の刑事役は何作も見てるけど、今の所これがベスト…刑事の辛さと友情と戦後の感じを全て体現できている、、素晴らしい。。ただこの理解の仕方は間違っている気がしてきた…はたして刑事になった辛さなのか、友情を本当に思っていたのか、違うよなーーー。

自分の印象としてはこーゆうのが野村芳太郎らしい気がする。。多分砂の器が好きなだけ、、と思ったがこれは正解か。

このレビューはネタバレを含みます

空撮、望遠、浜村純目線のPOVらが連なるオープニングからスリリング。

何と言っても西村晃と犯人の列車でのまさかのアクション。
今思い出しても「ドッ!ドッ!ドッ!」と列車に引きずられる犯人が地面に叩きつけられる音が聞こえそうな凄いトラウマ画だった(本編ではそんな効果音はなかったはず)。

朝日を浴びて鉄橋からヘチマのようにぶらりと垂れ下がる二人。西村が言った「刑事ってもんは友情よりも犯人逮捕から喜びを得るようになる(←みたいなこと。うる覚え)」の言葉と、犯人が言った「戦地でお前(西村)を助けたことは無駄だった(←うる覚え)」の言葉、その両方が思い出されて虚無な気分に。救いがなさ過ぎて最高。

犯人の妻に西村の部下が報告に行くが真実なんて話せない。頭が弱く天真爛漫な妻が差し出す犯人のメモに涙し、部下に対してもそうだよなあという気持ちでいっぱいになる美しいラスト。
この妻のようなキャラは邦画では絶滅したけど韓国映画に生きていると思うのは私だけかな。邦画にも復帰して欲しい。

あと悪い加藤嘉を見ることが出来て得した気分にもなった。

ディテールも凝っているし、観るたびに新たな発見がありそう。形が定まる前の刑事物の傑作。
くずみ

くずみの感想・評価

4.5
都市、老練な刑事、真摯な若手、過去、旅情、電車、裏切り、愛。後年の刑事ドラマ、サスペンスで使われる要素を多々含みながら、それらを軽く跳び越える。