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アジャストメントのtjZeroのレビュー・感想・評価

アジャストメント(2011年製作の映画)
2.8
フィリップ・k・ディック原作。短編小説なら通用する設定も、2時間に引き延ばして映像化するとちょっと無理がある印象。

主演のマット・デイモンは演技が確か。全体を暗青色で統一しつつも、彼が演じる主人公が運命を切り開くと映画のルックが明るい暖色にガラッと変わるという撮影もいい。

ただ、大マジメに展開すればするほど、笑えてしまうユル~い作り。

”人類を司る調整機関があって、運命が狂いそうになると歴史を修正する”というものスゴい設定があるのに、機関のエージェントが行なう工作がセコくて初歩的なミスばかり。個人相手にこんなに苦労してたら、人類の歴史なんて左右できるはずないって思っちゃう。

また、デイモン演じる主人公も、大統領になるべき人物の割には選挙活動よりも彼女とのデートを優先しちゃったりして大物感がない。
クライマックスで彼がかぶるエージェントの帽子も、あまりに似合わなすぎて間抜けに見えてきちゃう。

こうしたツッコミ所満載の内容を成立させるためには、コメディにしちゃってれば良かったように思う。
え~っ、っていう箇所も笑いに変えてれば、無理のある設定もむしろ効果的だったかもしれない。

そういえば、本作に重要な役で出てくるテレンス・スタンプは、ジム・キャリー主演の『イエスマン』でも主人公の運命をコントロールしようとする役柄を演じていた。”教祖顔”なのだろうか(笑)。
むしろ、この作品もキャリー主演のコメディとして観たかった。
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