サム

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師のサムのレビュー・感想・評価

3.9
ティムバートン監督作。自分はこの人の映画が子供のころよく印象に残ってたので思い入れがあるんだけど、最近はアニメ作品以外かなり冴えなてなくて悲しい。ただこの作品はいい。

復讐心をもった狂気の主人公(やたら首を切りたがる)と、屈折した愛情をもつ周りの人たち(まともな人が少ない)の人間関係が、絡みもつれて何とも言えないラストに繋がっていくクレイジーめなミュージカルドラマ。頭のネジがとんだ展開、ショッキングさ相まって最後まで退屈しない。外観はもちろん、例の装置のやたら凝った作り、グロテスクなシーンのB級感などにもこだわりが見え、バートンらしさがよく出てると思う。

流れるようなミュージカルにのって進む中盤の展開は、テンポよく相当に頭のおかしいブラックシーンが連続していって大好き。「さすがにそんなこと起きないだろ〜」と思いつつ「舞台は不況時のイギリス、ロンドンです」と言われると「あぁ、それなら…」と納得してしまう自分がいる。イギリスこわい。景観は最高だけど。

最初の導入映像からして気合入ってて不穏だし、シナリオは原作からしてぶっ飛んでるし、美術は流石の出来栄え。見応えたっぷりだと思います。見て損なし!ただしグロさ耐性はすこし必要。レーディング通り家族で見るには勧められない。
サム

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