む

容疑者Xの献身のむのレビュー・感想・評価

容疑者Xの献身(2008年製作の映画)
4.0
なんと…なんと悲壮な純愛…
石神が湯川先生の旧友というのが、この物語をやり場の無い行き止まりへと更に追いやっている…

不器用で不潔に見えた石神が、実は誰よりも美しいものへのこだわりが強く、いかに哲学的に突き詰めていたのかが物語終盤になるにつれ明かされていくと、なぜか胸が苦しくなった。

そんな彼の内を知っていた湯川先生の気持ちを考えると…やり切れない…涙
核心へと進まなければいけない物理学者としての理念との激しい葛藤が、静かに描かれていた。

この事件を乗り越えた湯川先生は、次の劇場版2作品では明らかに人として成長し、そしてまた新たな課題にぶち当たっていく。
ガリレオシリーズが、トリックミステリーではなく、湯川学の人間讃歌なんだ!と、シリーズの起点となる一作でした。
む