もものけ

ゴッド・ディーバのもものけのネタバレレビュー・内容・結末

ゴッド・ディーバ(2004年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

科学の発展が神の存在を忘れさせ、不自然な人工をまとった人間たちの繁栄へと移行するのよねぇ~・・・。

人体のあらゆるパーツが人工で取り替えられる遥か未来、人間は不死の存在となり、ミュータントとエイリアンと共に共存していた。
パーツを提供するユージェニクス社の実験となって捕らえられたジルは、興味を持った人間の科学者に救われて研究を手伝うことになる。
巷では、猟奇連続殺人事件が起こり警察は犯人を追うためニコポルという脱走した囚人を捜査するのだった・・・。


感想。
今では一般的になった実写とCGアニメーションを融合させる映像を使って話題になった作品です。

どちらかというと、映像作品という位置づけで、単純なストーリーよりは視覚で楽しむ芸術作品でもあります。
なので、割と評価は低いほうです。

「クローン・ウォーズ」の元祖のようなCGで描かれた映像の迫力は、なかなかよくできています。
時代の古さから実写との融合は、チープさを感じてしまいますが、当時はこれが凄い技術だったと評価されています。
今にしてみれば古臭いCGですが、20年前くらいの作品としてみれば、よく作られていると思います。

エジプト神とギリシャ神話をモチーフに、不死を取り消させる”ホルス神”が、純粋な人間の身体と異型のエイリアンとの間に自身の分身としての”子供”を作って、復活するまでの物語なので、割と単調で眠気を誘ってしまうこともあります。
神のわがままを見せられているようで、陳腐ではあります。

”ホルス神”が猟奇殺人鬼とされる人間憑依が、不純物で作られたユージェニクス社製を使用している人間で、医学の進歩による不自然な寿命を謳歌する人間への警鐘ともとれる風刺です。

実写とCGを融合した演出を使ったのは、本来の人間の姿=実写で描かれる人間、不自然な存在=CGとして分けて表現した描写です。
そういうことだったんですね。

とはいえ映像の芸術性ばかり目をとられるほど、役者が演技力にかけるところが目立ち、ジルはエイリアンなので表情に乏しいのを狙ったのかもしれませんが、ややトーンダウンして眠くなってしまったりもしました。

意外に深いメッセージ性が活かされてれば、もう少し面白かったのかもしれないので、3点を付けさせていただきました。
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