QTaka

アマデウス ディレクターズ・カットのQTakaのレビュー・感想・評価

4.0
一昨日の報道で、ミロス・フォアマン監督が亡くなられたという報があったので、この一本を久しぶりに見てみました。
と言っても、以前に見たのは、“ディレクターズカット”では無かったと思うのですが。

ここ数日長めの映画ばかり見ているのですが、この一本も長かった(3時間)。
以前見た記憶では、終盤の死の床に有るモーツァルトとサリエリのやり取りが印象に残っていました。
音楽家同士の阿吽の呼吸というか、暗黙の了解という中で、湧き出るイメージを譜面に紙類してゆく姿は、迫真のシーンだったと記憶していました。
さて、今回改めて見てみてどうだったかというと。
思った以上に全体が明るく、白けた感じに見えてしまいました。
以前に見たのはどんな環境だったのだろう?
おそらく、ブラウン管時代のTVだったのだと思うけど。
今回は、プロジェクターで見たのですが、まるで違う印象でした。
舞台シーンがいくつも出てくるのですが、実はこの舞台シーンが一番面白く見られました。
中には、以前見たバージョンには無い、ディレクターズカットで追加された舞台シーンも有ったようですが。
以前の印象として残っていたのは、終盤の「魔笛」の舞台シーンだったのですが、これ以外の舞台シーンがこんなにいっぱい有ったのは意外でした。

この映画を改めて見てみると、これはモーツァルトの人生を描いた映画では無く、サリエリの回顧であり、告白で有る事に気付きました。
そして、その告白をモーツァルトの音楽と舞台で表現したのでしょう。
そう思うと、この映画は、何度見ても楽しめる映画なのかもしれませんね。
モーツァルトの悲劇の人生を見るのであれば、そうそう楽しめるものではありませんが、音楽でつづられたウィーンの生活ならば何度でも楽しめる。
名監督に感謝。

何年かしたら、また見直してみたいと思いました。
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