ティム・バートンは好きだから面白く観れるんだけど、CGに移行してからのティム・バートンはおもちゃっぽさがなくなってどこか脱臭された気がして寂しい。『マーズ・アタック!』がギリかも。
ただ、18世紀末が舞台とあって美術はかなり作り込んであるし、映像の色味もコンセプチュアルに決めてある(映像監督はルベツキ)。
真面目にビジュアルを作っちゃった分チープさが減ったことで、ティム・バートンらしいバカバカしさが抑えられちゃってるのが問題なのではないかと思う。それを補うようにジョニー・デップの顔芸が惜しげもなく披露されてはいるのだけど…。
首がゴロゴロ転がるところや、骨から顔が再生するところなんかはらしさがあって好き。
ゴシックホラー的な趣味は全開に出せてて気持ちいいんだけど、監督の武器はそこだけじゃなかろうという感じが拭えなかった。
俳優の豪華さは見応えの一つで、ハリー・ポッターやスター・ウォーズとのキャストの被りが多々あるのも楽しい。画面が暗い映画で魅力を遺憾なく発揮するクリスティーナ・リッチは今作もとてつもなく可愛かったけど、ちょっと幼すぎない?